藤沢市中学校体育連盟会長 高倉中学校長  竹 内 伸 介

 また今年も熱い夏がやってきました。運動部に属する皆さん、特に3年生にとっては最後で最大の大会が始まります。ここで一番残念なのはケガや病気で実力を発揮できないことです。これまで練習を積み上げてきた人なら今は調整期間です。睡眠と栄養と休養を十分とって本番に備えてください。

 今年はブラジルのリオデジャネイロでオリンピック・パラリンピックが開催されます。それに向けて様々な競技で予選が行われています。やはりアマチュアアスリートにとってオリンピックは夢の舞台。紙一重の差で代表の座を逃した人にとって次のチャンスは4年後です。そこまで技術的、体力的、精神的にもつのか。苦しい道のりでしょう。それでも「次のチャンス」があればまだいい。3年生の皆さんにとって「中学校総合体育大会」はもう二度とやってきません。人により、チームにより「まず一勝」から「頂点を目指す」まで目標は様々でしょう。しかし、これまで苦しい中を励まし合ってやってきたこの仲間と戦えるのもあとわずかです。その残された日々を大事に過ごしてください。そういう思いがあれば試合はもちろん、その他の公共のルールやマナーも素晴らしいものになるはずです。なぜなら、自ら努力した人は他人の努力や苦労にも思いが及ぶからです。対戦する相手やそれを支えてくれた人に対するリスペクト(尊敬、敬意)の気持ちが自然にわいてくるはずです。

 日本の伝統芸能や武道の上達の道のりでは「守破離」ということが言われます。初めは師や先輩から学んだ型を守るところから始まり、次に機に臨み変に応じてその型を破り、最後はそこから離れて独自の世界を持つということです。

 ルールやマナーを、教わった「型」としてとらえているうちはまだ初心者ということです。競技者としての立ち居振る舞いに相手や周囲を尊重する姿勢が自然ににじみ出てくるようならば次のステップに進みつつあるといってよいでしょう。

 勝っておごらず、負けて卑下せず、自らを見つめる。この大会を通して一人でも多くの中学生がそんな境地に達し、その後の学校生活や人生の背骨としてくれることを期待しています。

 最後になりましたが、ここまで子どもたちを支えてくださった保護者やご家族、教育委員会や競技協会等の関係者の皆様、顧問の先生方やコーチの皆様に感謝申し上げます。今後もご指導よろしくお願い申し上げます。