7月 PTA広報より … 「国力と書店」
「 国力と書店 」
先日、ある本を読んでいると「その国が発展するかは書店をみればわかる」とあり、日頃、私が感じていたことと重なり、思わず食い入ってしまった。
その本によると、街に大きな書店があり、そこに若者が大勢いるかでその国の将来が分かるとのこと。ベトナムや中国では連日、若者で街の書店はにぎわっているそうだ。
幼い頃、終戦間もない東京で、焼け跡を背に古本を広げ、商いをしてる写真を見た。食べ物が無い時に本なんか売って、このおじさん、本当に生活できるのかと不思議に思った記憶がある。活字に飢えた若者の姿をとらえたこの写真が日本復興の原点を写し出していたと今は感じる。
日本は経済急成長中でも、本を探し求める若者は多かった。私の高校時代、駅前には必ず書店があり、学生で満ちていた。電車を待つまでの間、ラジコンづくりなど趣味の本や映画、海外情報の雑誌を立ち読みして好奇心を沸き立たせ、教養や雑学の幅を広げていった。
しかし、ずいぶん前から書店の衰退は進んでいる。私が住む街でも3店あった書店、すべてが消えて久しい。隣町では、駅前に大手図書店が出店して、ようやく文化の香りがするようになったと住民は喜んだ。しかし、その匂いは留まることなく、数年で閉店。駅前の一等地跡は書店からパチンコ店に替わり、若者が朝から列をつくり開店を待つ。日本の将来・国力に不安が募る。技術立国日本は過去の話で経済不況は今後も長引くのではないかと危惧する。
この国のあり方が学校に問われている。結果を数値で示すことは教育になじまない。一見無駄にみえることが百年後の偉業の礎になることが多々ある。自分の好きな本を夢中に読んでいる生徒を朝の読書で見つけるとホッとする。
登録日: 2011年9月16日 / 更新日: 2011年10月19日



