第6回 研究部会

日 時:2021年2月16日(火)午後3時30分から

場 所:リモート開催

内 容:小林貴稔研究員(羽鳥小)研究授業振り返り

    安倍沙希子研究員(村岡中)研究授業振り返り 

 

   

  

 コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言発令により、集合研修での部内授業・研究協議を行うことができない為、予め授業の動画を見てお

き、本日の研究部会はリモートで授業の振り返りを行いました。

 

小林貴稔研究員研究授業振り返り

単元名:データーの特ちょうを調べて判断しよう(小学校6年)

 小林研究員は「根拠をもって説明する力を育てたい」として部内授業を実施しました。研究部会での指導案検討により、「2人の児童はA、Bの

カードどちらかを取り、出した数の大きい方が勝つゲーム」という課題としました。Aのカードには最高得点も最低得点もあり、ばらつきがあ

る、Bは最高点、最低点はないが中間となる得点が多い、AとBの平均の差はほぼ同じとなるようにしました。児童がゲームに取組んだ結果、その

勝敗は、Aは15勝、Bは12勝となりました。ゲームの中で、山札の結果を折れ線グラフに、または柱状グラフ風に分析しているペアもありまし

た。

 研究員からは「児童がカードを自分たちで並べ、考えを深めている様子が見られた。」「平均値、中央値などあらがじめ教えて行うより、この

流れの方が皆で理解し、共有しやすいのではないか。」などありました。

 講師の池田先生より「とても良い教材。ヒストグラムを見極めて、あるいはドットプロットを見て、あるいはメジアンに着目して、根拠を大切

にし、結論を出せるようにするとよい。」との講評でした。

 

安倍沙希子研究員研究授業振り返り

単元名:平面図形 (中学校1年)

 単元は平面図形で部内授業を実施しました。安倍研究員は「見通しを立てて作図の方法を考える。」「根拠をはっきりさせて説明する。」とい

う視点から、「学校のどこかに宝物があり、その場所を探そう。」という課題を設定しました。コロナ禍で部会内での指導案検討が出来ない状況

でしたが、講師の池田先生に事前に見ていただき、問題提示の仕方、ワークシートの作成、宝物探しの条件設定のアドバイスを受けて実施しまし

た。条件を小出しにし、最初は75°の角度の作成から始まりました。最後まで行き、宝物を得た生徒は一人だけでした。

 研究員より「初めから3つの条件を与えるのではなく、小出しにしたことで生徒たちは宝物に近づいていく手応えを感じながら取り組んでい

た。」と指摘がありました。

 講師の池田先生からは「“これだけじゃ分からないよ!” “先生、条件が欲しい!” という言葉が生徒からもっと欲しかった。75°を作る見通

しの議論を全体で共有しておくと、もっと時間の短縮ができたのではないか。」との講評がありました。

 

次年度に向けて

 研究員の部内授業検討ということもあり、時間がとれなかったこともあった。最後に講師の池田先生より、今年度取り組んだ研究員の課題、部

内授業から見えてきたこと等から考えておくことなどありました。次年度は早急にどのような方向で行くか、話し合いを進め、授業研究に入りた

いと考えています。

 

 

第5回 研究部会

日 時:2020年12月18日(金)午後1時35分から

場 所:藤沢市立高砂小学校

内 容:八森祐樹研究員研究授業・研究協議

    小林貴稔研究員研究授業指導案検討

 

  

八森 祐樹 研究員 研究授業

 単元名:並べ方と組み合わせ方(小6年)『1000円以内で買える組み合わせは何通り?』

 八森研究員は「実生活に関わる問題に取り組み、算数を使った解決の良さを意識させたい。」という思いか

ら、「ハンバーガー店でバーガー、ドリンク、サイドメニューから1つずつ選び、1000円以内で買える組

み合わせは何通りあるか、図や表を用いて筋道を立てて考える。」という授業を考え実践しました。足し算し

て1000円を超えない組み合わせを探すという課題のため、児童らは「これまでに勉強した樹形図や表もひ

と工夫必要かな。」と、思考をめぐらしていました。そして自分の考えを2~3人のグループ内で伝え合い、

OA機器で拡大したノートの図を示しながら全体にも伝えました。

 その後に行われた研究協議では、「バーガー、ドリンク、サイドメニューから1つずつ選び且つ1000円

以内という重複した組み合わせの課題であったため、樹形図や表で表すのが難しかったと思うが、子ども達は

とてもよく集中して取り組んでいた。」「工夫した表を使って見事に解決している児童がいた。」など活発に

意見交換がなされました。また、「導入での発問の仕方が良い。教師が一言言って続きを児童に言わせる発問

の仕方は、児童からの問題設定ができ、児童の考えを引き出すのに効果的だった。」という意見も出ました。

 

 

小林 貴稔 研究員 研究授業指導案検討

 単元名:データーの特徴を調べて判断しよう(小6年)

 小林研究員は「分かったことや気づいたことを発表し共有する子を育てたい。」という願いから、2人の高跳びの選手のどちらを代表に選ぶか

を、データーの特徴に着目し、どういう根拠でそう考えるのか説明する授業を組み立てました。「データーを示す上で、高跳びより走り幅跳びの

選手に換えたらどうか。」「AとBのデーターの幅をもっと変えた方がいいのでは?」「中央値ももっとずらすと面白い。」「競技でなく2つの

ゲームにしたらどうか?」など多くのアイデアが出ました。楽しい授業が出来そうです。

 

第4回 研究部会

日 時:2020年11月25日(水)

場 所:藤沢市立大鋸小学校

内 容:池田昇平研究員研究授業・研究協議

    八森祐樹研究員研究授業指導案検討

 

   

池田 昇平 研究員 研究授業

 単元名:比例と反比例(小学6年) 『アトラクションの待ち時間』

 池田研究員は、「生活の中で算数の学習を活用できる子を育てたい」というねがいから、「アトラクションの待ち時間を求める活動において2

つの数量の関係に着目し、比例の関係を問題解決に活用する授業」を組み立てました。まず、実際のアトラクションの動画を子供達に見せまし

た。そこから子供達は、「あと何が分かれば計算できるかな?」と自ら問題解決に欲しい情報(数値)に気づき、「今まで似たような考えをした

ことがないか、比例の考えが使えるかな?」と既習内容を探りながら問題解決していきました。

 その後行われた研究協議でも活発に意見交換がなされ、研修を深めることができました。

・問題解決に何が必要か、条件を明確化するのにも、動画は有効であった。

・ペアトークやノートに書くなど自分の考えを表現する活動が多く設定され、子供達は主体的によく取り組んでいた。

・ある子供の考えをまた別の子供に説明させるなど、より理解が深まるよう配慮している。

・問題解決した結果を利用し「並ぶか、並ばないか」判断する問いを設けたことは、結果を求めることに終わらず子供達に課題の深まり・余韻を

 残す上でも効果的であった。

 講師の池田先生から、「生活体験に結びついている具体的・現実に即した課題を用い、問題解決に必要な情報(数値)を子供自ら気づくよう最

初に動画を見せたことはとても効果的であり、子供達も主体的によく取り組んでいた。また、“既習を振り返る” ことが習慣化していることが、

今日の授業からよく伺われた。」と講評をいただきました。

 

 

八森 祐樹 研究員 研究授業指導案検討

 「生活の中で算数の学習を活用できる子を育てたい」「子供達の学習の積み上げを図りたい」というねがいから、『並べ方と組み合わせ方』の

単元で、提示された金額以内での商品の組み合わせが何通りあるかという課題の授業を考えました。「メニューについて」「目的意識をはっきり

させる条件設定」「金額の信憑性」など、課題設定上のいくつかの問題点を皆で検討しました。「お店屋さんの立場に立って“セットメニュー”を

作ろう!」「おすすめメニューを作ろう!」という課題設定もいいのではないか等、話しが盛り上がりました。

 

第3回 研究部会

日 時:2020年10月19日(月)午後3時30分から

場 所:教育文化センター 小会議室

内 容:研究の方向性を探る(研究員からの実践報告)

    池田研究員部内研究授業指導案検討

 

 

 2人の研究員から、「分からないこと、困ったことを生かす」、「根拠をもって考え、比較する力を身につける」ことを課題とした実践報告が

ありました。この2つの報告から「子供たちは、具体的な操作活動からイメージをつかみ、解法に向けて動き出すことができる」ことを再確認し

ました。

 11月より部内研究授業が始まります。最初は池田昇平研究員(大鋸小)です。池田研究員は「生活の中で算数の学習を活用できる子を育てた

い」という願いを持って研究に臨んでいます。今回は、「比例の利用」の単元で、自分達が乗ろうとしている遊園地でのアトラクションの待ち時

間を求めるため、1回で乗れる人数と1回にかかる時間から比例の考えを用いて解決できるよう授業を構想しています。講師の池田先生からは、

「具体・現実に即した課題は、子供の思考を進め理解を促す。導入でその場に自分がいるイメージを持てるようにしてあげたい。」「情景の映像

から問題解決にほしい情報(値)に気づかせたらどうか。」「問題解決した結果を利用し、判断を下せる問いを付け加えたらどうか。」と具体的

なアドバイスがありました。

 次回より、基礎研究の一つとして、各研究員の課題解決に取り組む授業実践が始まります。

 

 

第2回 研究部会

日 時:2020年9月9日(水)午後3時30分から

場 所:教育文化センター メディア資料室

内 容:研究の方向性を探る(研究員からの実践報告)

 

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 第1回の部会では各研究員の授業実践の報告を行いました。研究員から「見方・考え方」を意識し、「子どもが自ら考える」ことを課題とした実践報告の中では、「子どもが考えを進めていくことの難しさ」が話題になりました。それに対し講師の横浜国立大学教授池田先生から「もし・・・だったら」「・・・だと仮定したら」と教師が仮定することを示していくと、それをヒントに子どもは考えを進めていくことができるのではと話しがありました。「つなぐ」(算数から数学へ、既習から発展へ)ことを意識した研究員から「文章題から式を立て、問題を解決することが苦手な子どもへの指導をどうするか」の課題設定を行った実践報告もありました。池田先生から「式を解くことは答えを出すだけではなく、どういう問題で使えるか確かめることであり、文章問題の目的はそこにある。」と「目的の設定の大切さ」について助言頂きました。池田先生の言葉は授業への大きなヒントでもあり、研究の方向性を探る重要なヒントにもなっています。

 

第1回 研究部会

日 時:2020年8月3日(月)午後2時から

場 所:教育センター 小会議室

内 容 ・教育文化センターの研究員について

    ・3年間の研究の進め方と今後の取り組みについて

    ・意見交換から研究課題の把握

 

 

 

 第1回目の研究部会を開催しました。新しく4人の研究員を迎え、前年度の研究を土台に新たな研究のテーマを探っていきます。横浜国立大学教授 池田敏和先生を今年度も講師にお迎えし、ご指導、ご助言をいただきながら研究を進めていきます。今回の部会では、研究員自身が授業での課題等をもちより、池田敏和先生を交えて意見交換を行い、自分の数学の授業観を見つめる時間をもつことができました。

 

 

 

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