土曜研修講座2022第3回は、小学校から21名、中学校から9名の参加がありました。

 授業づくりやICTの活用について、不安を感じている受講者が多いタイミングでの研修でしたので、両講師が自身の経験を紹介して、経験の浅い受講者に寄り添いながら、課題解決に向けて多くのヒントを具体的に示したことで、今後の取り組みへの意欲を増した受講者が多く、実りの多い研修となりました。接遇についても、所属校とは違う話が聞けて良かった、という声が聞かれました。

[日時]2022年5月11日(土)9:00~12:00

[場所]藤沢市教育文化センター 大会議室

[講師]高砂小学校 総括教諭 小野寺 草介 氏

    長後中学校 教諭   雲宮 有一朗 氏

    学校人材育成支援員  井上 裕子

[内容]

「子どもとつくる楽しい授業」 小野寺 草介 総括教諭

  

 講師自身の経験から、「初めは授業が上手くいかなくて、つらい時もあるのが当たり前」との話があり、今だからわかる初任当時の悩みの原因から、「みんなが楽しい授業」にする方法について学びました。まず、「育てたい子どもの力」を「①本時(本単元)で」と「②年間を通して」の2つの柱で明確に意識して授業を計画すること。そして「教える授業ではなく、子どもとつくる授業にする」こと。さらに「全員で学び、認めあう授業展開にする」こと。これらについて多くの具体例とともに学び、最後に教師自身が学ぶことを楽しみ、学ぶ場と仲間を大切にすることの重要性を知った研修でした。

 

「ICTを活用した授業展開を学ぶ」 雲宮 有一朗 教諭

  

 まず、講師から例として挙げられた「授業の導入で児童生徒が夢中になる仕掛け」を体験し、「展開では『インプット3アウトプット7』を目指し」「時間は守る」という講師の授業づくりの基本を学びました。ICT活用は、「児童生徒の学びを深める」手段であり目的ではないことや使用上の留意点を具体的に学び、実際にChromebookを使って、ロイロノートやクラスルーム等の活用を体験しました。経験の浅い教員としても、ICTの活用にあたっても、「できないこと、わからないことを隠さない」「できなくても、子どもとともに一生懸命やってくれる」先生でいること、様々な人材や情報ツールからヒントを探すことの重要性を学び、研修を終えました。 

 

「学校職場における接遇・保護者対応の基本」 井上 裕子 学校人材育成支援員

  

 「接遇」は信頼獲得の土台であり、よりよい教育活動と子どもの成長に繫がることを確認した上で、「来校者に対して」「電話対応について」「話の聴き方について」具体的な接遇のポイントを学びました。「何を伝えたか」ではなく「どう伝わったか」が重要であり、心の中にある相手へのリスペクトが伝わるものであることを知って研修を終えました。 

[受講者の感想]

・授業展開について、自分もその場しのぎの授業をしていたので、目標やねらいをしっかりと見据え、子どもたちとつくるために努力しようと思いました。そのためにICTも活用しようと思いました。(小)

・授業づくりに対してのモチベーションが上がりました。今は不安だらけだけれど、学んでいく必要があるときなので、一生懸命に学び、前進していきます。(小)

・楽しい授業を目指したいと思いながらも、授業準備の時間もなかなか取れず、指導書通りに進めてみてもうまくいかない日々に悩んでいました。「子どもとつくる楽しい授業」の方法を教えていただき、動画でも拝見し、ハンドサインから始めてみようと思いました。(小)

・ICTの活用について、ロイロノートを使ったことがなかったため、すごく勉強になり、よいきっかけになりました。生徒の意見共有やあらゆる授業で活用してみたいと思ったので、私自身、ICTの学びを深めて行きたいと思います。(中)

・生徒のつぶやきを拾ってあげることについて、教室がザワッとしてしまうことに苦手意識がありましたが、色々なつぶやきを拾って全員でつくる授業にしたいと思います。(中)

・授業づくりを自分も楽しみながら行いたいと思います。プロセスを大事に、インプットとアウトプットの配分も意識していきたいです。(中)