寒い冬には お で ん が一番!

 室町時代からあった田楽を変形させた煮込み田楽を ”お田(でん)” と言うようになりました。田楽は、豆腐に味噌を塗ってあぶった料理で、やがてサトイモやコンニャクなども使われるようになりました。江戸時代の1800年ころから、お湯で炊いたコンニャクに味噌を塗ったり、カツオ節でとっただし汁に豆腐やコンニャクなどを入れたりして”おでん”になりました。庶民的で冬に体が温まる料理で、江戸時代の終わりころには、屋台のおでん屋さんがたくさんあったそうです。その後、関東ではあまり食べられなくなりましたが、関東大震災(1912年)のとき救援に来た関西の人たちが炊き出しで ”関東煮(かんとうだき)”を振る舞ったことから、おでんが復活するようになりました。ただし、江戸時代の味は失われていたため、おでんの味付けは関西風の薄味が主流です。