これまでも本号で本校の歴史をお伝えしてきましたが、今回は本校に併設されていた高等女学校についてお伝えします。
1906(明治39)年、御所見村立尋常高等御所見小学校の付設実業補習学校が設置されました。しかし、入学者は少なく学校では家庭を訪問し、補習教育の必要性を説明し補習教育の普及に努めました。補習教育は「夜学」で、農業などの仕事の後、勉強する制度でした。その後、学校教育が普及するにつれて女子への教育の必要性も高まり、他の村に先駆けて1924(大正13)年通年制の女子補習学校ができ、その2年後、村立御所見実科高等女学校が創設されました。
設立された当時は小学校の教室を使い、専任の教員は少なく校長をはじめ小学校の教員が兼任していました。生徒数は1年生が35名、2年生が30名でした。有馬村(現海老名市)や澁谷村(現大和市)から自転車で通って来た生徒もいたそうです。
 授業は、裁縫の時間が特に多く、一週間に9~12時間で毎日2~3時間の授業があり、卒業までには一通りのものが縫えるようになったそうです。農協のあたりに畑地もあり農業の実習もありました。
1928(昭和3)年には4年制となり教室も増築されましたが、戦後1947(昭和22)年に教育基本法、学校教育法が制定され、6・3・3制の発足に伴い翌3月に女学校は閉校となりました。
 昭和2年より同23年3月までの卒業生は、680余名で、近隣地域を含めた女子教育に大きな功績を残しました。