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地形図セット お貸しします!                                           

 今回、「子どもたちの身近に地形図を!」と「地形図のある学校図書館の創設についてのモニタリング*」に参加することになりました。「地形図セット」を希望される先生、学校に貸し出します。
        * 地形図のある学校図書館の創設プロジェクトモニタリング期間 2023 年 9 月~2024 年 1 月(5 ヵ月)
         「地形図のある学校図書館の創設」実行委員会事務局(日本地図センター)
                                 (2023年度公益財団法人図書館振興財団助成事業)
                                https://www.jmc.or.jp/2023/06/map_monitoring/ 
 
■防災・減災について、ハザードマップ等の利用が呼びかけられるなかで、「地図を読む」力の育成が求められています。グーグルマップなどデジタルマップなども普及し、日常さまざまな地図を目にしますが、実際に「手に取って地図を見る」ことはなかなかないのではないでしょうか。「学ぶ環境整備のひとつ」として、学校の図書館や教室、廊下等において、子どもたちが自由に見れる場に、また「授業で紹介し、使う」など利用の仕方は様々です。この機会にぜひご利用ください。
■貸出の申し込み方法
  期間 10日(延長あり)  ただし希望が集中した場合は調整をお願いすることもあります。
      希望される先生、学校図書館専門員は、管理職の許可を得た上で、教育文化センターまでご連絡ください。
 
■提供する「地形図等セット」セット内容  バインダー2冊  
      
      ↑段ボール箱1箱にセットで       ↑対象の図幅名
 
 ・2 万 5 千分 1 地形図 43面           
 ・5 万分 1 地形図       16面
 ・20 万分 1 地勢図     4面
 ・50 万分 1 地方図     1面
 ・100 万分1日本       1面
 ・500 万分 1 日本とその周辺   1面
 ・空中写真             1946(S.21)・1977(S.52)・2019(R.1)
 ・旧版地図(昔の地形図のこと)  1891(M.24)・1954(S.29)・2001(H.13)
 ・利活用街ガイダンス(利活用方法を紹介した解説冊子)
 ・マップインデックス(A3 版)
 ・「地形図のある学校図書館の創設」モニタリング調査実施要領

 

利用のアイデア                                                

(1) 学習環境として
・学校図書館や廊下など、子どもたちの身近に
・子どもたちが自由にファイルを開けて、地図をながめられるように

(ポイント) ・見やすいように、平置きに
 ← イメージ(プロジェクトHPより)


(2) 授業で
・地図の入ったバインダーは、閉じてあるものを「ばらばらに」することができます。
・授業での使用例をご紹介します。いろいろな展開が想定されます。
・授業で使用しなくても、その単元の時期に、子どもたちが自由に見れる環境があると効果的です。
 *  なお、いただいた空中写真は複写禁止なので、「地理院地図」を利用してこの資料を作成しています。

例 1) 地図の基本の使い方として
【内容】「実際に紙でみると」「確かめやすい 方位、距離」「地図記号」「縮尺」など
    特に 縮尺の授業では、様々な地形図が用意されているので並べれば一目瞭然です。
    2万5千分の1、5万分の1地形図、20万分の1地勢図、50万分の1地方図、100万分の1日本

例 2)「地域学習」と関連させて
【 内容 】 ① 地域の今を知る     1枚の地形図・空中写真
     ② 地域の特徴を考える 古い地形図や空中写真 またたの地域の資料から
     ③ 地域の変化を知る    新旧の地形図や空中写真を比較する
     ④ 地図にルートマップをつくって、観察した内容を書き込んだり、まとめる
【  関係する単元等  】
             ・小学校3年 「わたしたちのまちと市」
                               「まちの昔と今を地図でくらべる」教育出版、p.41

             ・小学校4年 「縮尺のちがう地図で調べる」教育出版、p.164

             ・中学校社会科地理的分野
                                「第3部 第1章 身近な地域の調査」
                                「技能をみがく 地形図の使い方①」 帝国書院 p.134
                                「技能をみがく  新旧の地形図の比較」 帝国書院 p.136

A 旧版地形図 (昔の地形図) の利用例  
・1891(M.24)「藤澤驛」、 1954(S.29)「藤沢」  2001(H.13)「藤沢」 を使って

 ここでは、130前の明治、1950年代、2001年をあげています。「藤沢」の場合、湘南ライフタウンや桐原工業団地、また湘南台駅前などの大規模開発の時期を挟むと変化を読み取りやすいです。
また現在と1990年代のように大きな変化が見られない地図の比較も「変わっていない」ことを知る手かがりになります。

 ←1891(M.24)「藤澤驛」の一部

① 「地域を知ろう」 1枚の地形図から 地域のようすを知ろう
  T:  学校の場所はわかりますか
  S1: えー、わからない   S2:ここら辺かな
  T:  なぜそう思ったの
  S2: ここに線路があって、この道が○○じゃないかと思って
  T:  なるほどね。では、自分の家はわかる?
  S:  ここかな。でもなにもない
  T:  何もないって?ほんと?
  S:  記号が書いてある
  T:  この記号何? どこかに書いてなかったかな。調べてみよう
  S:  明治時代は辻堂や鵠沼などいくつかの村がある以外、ほとんど畑と砂地だった

② 「地域の変化」複数の地図を比較する 「1891(M.24)」 と 「2001(H.11)」
  T:  二枚の地形図を見比べて、気がついたことありますか
   S1: 川の形が違う       S2: 家が多くなった(違うところに着目した意見)、
   S3: 線路は変わらない  S4:「寺や神社昔からある」(同じところにあるものに着目した意見)
   T:  どう変わったのかまとめてみよう
   S: 引地川は、1891年はくにゃくにゃ曲がっていたが、1954年には、まっすぐになっている。きっと洪水 を防ぐために直したのだろう。東海道本線は1891年にはあり、ずっと場所は変わっていない。 近くに あまり家がない。藤沢の宿場からは離れている。1954年の地図を見ると、道が増え、家が多くなってい る。特に南側に増えている

③ 「地域の変化」 3枚の地形図を古い順に並べよう
  T:  この三枚の地形図をグループで古い順に並べてみよう  
      S:  そんなの簡単だよ
      T:  では、どうして、そう考えたのか説明してみましょう
      S: 一番は、家かな。そしてよく見ると、ここになかった道が1964年にはできていて、2001年では、ここにもできているから
      T: では、どう変わってきたか、文章にまとめて、紹介しましょう
      S: ここ藤沢の海岸に近いところは、今と比べて家は少なく、砂地になっていた。引地川はくにゃくにゃ流 れ、近くに田んぼがあった。戦後川の流れはまっすぐに整備され、海岸線に道路が作られるなど、道路が 増え、家が増えてきた。それにつれて田んぼもほぼ見られなくなった

B 空中写真 (航空写真)の利用例 (地域によって撮影年月日が違います。)
     地形図より、縮尺が大きいので、詳しく見ることができます。反面、地図記号がないので、土地利用については、読み取りが難しいです。

←1960年の空中写真(一部:藤沢橋周辺)です。

市民病院や西富の住宅がないことに気づきます。

① 地域の昔を知ろう
    T: この写真は、1960年ころ空からとった写真なのだけれど、学校が写っています。どこかわかりますか
    S1: どこ?      S2: わかった!ここだよ  
    T:  え、すごい。どうしてわかったの?
    S2: この道と川、藤沢橋のところみたいだし、ここ学校の校庭と同じ形している
    T:  なるほど。 あと、この地図をみて気がついたことはありますか?
    S3: 市民病院がない  西富の住宅地もない
    S4: たんぼだったのではないかな
    S5: いつ頃 家はできたのかな
    T:  では、新しい写真もみてみましょう


② 空中写真と地形図を比較してみよう

    

1960年代空中写真一部       ↑1967年地形図一部               ↑2001年地形図一部 

 T: 1960年代の空中写真と地形図、2001年の地形図をくらべてみよう。気がついたことありますか。 
 S: 市民病院と西富の住宅地は1960年代は水田だった。
 T: どうして水田だってわかるの

 S:地図記号をみればわかるよ

イメージをお持ちいただくことができたでしょうか。

お問い合わせは、教育文化センターまでお寄せください。   

 

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