日 時:2021年7月30日(金)午後1時30分から

場 所:教育文化センター 大会議室

講 師:早稲田大学教授 本田 恵子 氏

受講者:教職員 119名 (小学校 97名  中学校 14名  特別支援 8名)

研修内容 (1)基本編・・・感情の自然な流れが切れる状態

        ・キレルとはどういうことか

        ・アンガー状態とは

        ・脳の働きの理解

      (2)コロナ禍における子供たちのストレス

        ・状況、行動の特徴、ストレスマネジメント

        ・NG集、言動の受け止め方

      (3)発達障害のある生徒への対応

        ・ASD傾向、ADHD傾向の理解

        ・アンガーマネジメントプログラムの進め方

  

 研修成果

 本講座では、子供たちを取り巻く環境とそこから生じるストレスや心の変化などに起因した「キレる」という感情とその表出タイプを学び、脳の機能やその根底にある承認欲求など、奥深い心理を理解するところから始まった。アンガーにより生理的反応や認知的反応が生じるため、それらを緩和するためにはアンガーマネジメントが有効であることとその方法についてお話を伺った。子供たちが落ち着いて学習に向かうためには、脳の機能を理解し、言葉や思考力、見通す力などの力を育てる必要があり、そのためには大人(教師や親)が適切な働きかけをする必要があるということで、具体的には、刺激の排除方法や気分転換の方法、ストレスの元の解決などについて事例を細かに紹介していただいた。また、大人がしがちなNGワードや対応についてなど映像で具体的に示していただいた。2学期から使えるスキルをたくさん示していただき、大好評だった。

受講者のアンケートより(抜粋)
  • 目から鱗の講座でした。自身の学級経営の中で“気になる子”への対応について考える良い機会になりました。この夏季休業を使って、もう少しストレスマネジメント、アンガーマネジメントについて調べたいと思いました。
  • 児童支援担当という立場で、どうしてもキレてしまった児童の対応をすることが多いのですが、できれば予防をしてあげたい気持ちでいます。オキシトシンが分泌されるような体験的な活動を増やすことが効果的なようでしたので、各担任の先生方へのアドバイスの際に活用させていただければと思います。ストレッチバナナやネズミタイマー、自己機能トレーニング等も取り入れていきたいです。
  • キレやすい生徒に対しての適切な対応の仕方(言葉かけ等)が詳しく学べて本当に良かったです。また、アンガー状態には脳の働きが影響していることも理解することができました。日々、学校生活の中で様々な対応が迫られますが、まず受けとめる側の教員自身がストレスをためないことも大切だと思いました。
  • 「アンガー状態の子供に対して、『私が解決しないと』と思ってしまうが、本当は解決するのは子供本人」という言葉が一番印象に残りました。毎日校内のどこかでアンガー状態の子供に出会いますが、いつも「何とかしなきゃ」と思いすぎていたことに気づきました。「私はあくまでアンガーじゃなくなるよう手助けするだけ」と心に刻んで、巻き込まれないよう心がけて2学期から対応していきたいと思います。