日 時:2022年8月17日(水)午前9時30分から正午

場 所:藤沢市立鵠沼小学校 家庭科室

講 師:県教育委員会指導主事 水沢 文芳子 氏

研修内容 (1)布を用いた製作への導入

     (2)布の製作の指導展開について

     (3)不織布での製作(実習を通した講義)

     (4)布での製作

     (5)袋づくりを通して身に付けたい力

   

        

 初めに、子どもの生活経験から豊かな暮らしという視点をもたせ、実際に作成した物が生活に役立ったり、誰かの役に立ったり喜ばれたりするという経験をさせることで自己有用感を醸成していきたいというお話がありました。

 今回は、6年生の袋物の実習を想定し、実際に作成を通した研修を行いました。まず、目的に合った形や大きさの袋を考え、不織布を縫う代わりにホチキスで止めていき、試作品を作りました。袋の大きさや縫い代の大きさ、縫う順序、マチや丈夫にしたい部分の返し縫い等、マジックペンで袋に直接記入しました。不織布の試作品は型紙にもなり、失敗しても作り直すことができるというメリットもあります。その後、不織布に合わせて布を裁ち、ミシンで縫い、作品が完成しました。解決の見通しをもち、計画を立て、実践するという活動を通して、子どもたちは自分で考え、作る楽しさを実感しながら学習に取り組めることを、自らの体験から実感することができました。実習の多い家庭科では、見通しをもった学習を進めることが大事であり、学習を組み立てる際には、児童・生徒が自分の生活や学習を振り返り次時の課題を確認し、より良い方法を考えたり改善したりするという過程を組み込むことで主体的な学びにつなげていくことが大切であることを共有しました。

 

〈受講者の感想から〉

  • 家庭科でも試行錯誤をしてよいのだと知り、不織布で試し作りをするのはおもしろいなと思いました。低・中学年の工作でも応用できそうだと思いました。子どもが布作品に取りかかりやすくなりそうです。
  • 試作を通して「見通しをもつこと」「製作の根拠をもつこと」など思考を深めながら、自ら製作に取り組む意識を高めることができると思いました。
  • はじめにあった「してもらっていた自分」→「自分でできる」→「誰かにしてあげられる」というお話が心に残りました。そういう意識、気づきを子どもにもたせたいです。
  • 夢中になって製作に取り組めました。それというのも、先生の「自分で作ることは楽しいよ!」という熱意が、見本品や手順などから伝わってきたからです。「私にもできそう!やってみたい!」という気持ちが生まれることがとても大事なのだなと思いました。そのための学級環境を整備することの大切さを感じました。