教育シンポジウム  時代の転換期 その時 子どもたちは学習をどう考えた?  ~第12回学習意識調査から~

 

日 時:2022年8月23日(火)午後2時から午後4時15分

場 所:藤沢市湘南台文化センター 市民シアター での開催とZoomによるオンライン配信とのハイブリッド形式

【コーディネーター】    横浜国立大学教授                                   池田 敏和 氏
【シンポジスト】      横浜国立大学教授                                   有元 典文 氏
                      藤沢市立滝の沢中学校校長                         笹原 信吾 氏
                      藤沢市立鵠洋小学校校長                            中村   浩 氏
                                   藤沢の子どもたちのためにつながる会副代表  越  美紀 氏

     

      

 1965(昭和40)年から、5年ごとにほぼ同一内容の質問用紙を用いて藤沢市内の中学校3年生の「学習意識調査」も今回で第12回目、56年目を迎えました。この春3月に発刊した『「学習意識調査」報告書』をもとに話し合いました。はじめに、調査結果の概要説明、そのあと、シンポジウムでした。「もっと勉強したい」「授業がわかる」など望ましいとされる選択肢を選んだ生徒が増加しています。その背景をさぐり、生徒の意識の変化、これからの学校について考えました。

 最初に登壇者お一人お一人から、今回の調査の「印象」についてのお話から始まりました。そのあと、                   1.学習の意欲 「責任感」                                                       2.一番大切に思うもの「友だちの減少について」から「友だち」捉えの変化しているのではないか。「相談相手」の変化について        3.56年間の経過や変化 2000年以降望ましい方向への変化している理由は?                                4.期待する授業 「グループで話し合ったり」と「リラックス」の関係は?  / 学習の意欲「失敗回避が多い」その理由は?  など、        それぞれのお立場からの意見表明がなされました。                                                 またフロアーからの質問・意見も話しあいました。最後にひとことずつ、そしてコーディネーターの池田先生から「1つの事実から話し合いをはじめることの大切さ、また肯定的に見る面と批判的にみる見方の両方を議論することの大切さについて」述べられ、締めくくられました。       3年ぶりの集合しての開催となりましたが、あらためて、顔をあわせて集まって一つのことを考えることのよさを感じました。

 

参加者からの声                                                         

・子どもたちの声からこれからの教育について考えることができて、とても面白かったです。子どもたちの気持ち・求めていること・状況を知ることで、9月からどんな風に学級経営をしていこうか、子どもたちによりそって考えることができました。今回の調査内容から「友だちづきあい」「責任感」について自分はどんな風にクラスの子どもたちと考えていくか、こちらが問いかけ、支えていくか考えていきたいと思います。私自身は今26歳でまだ子ども側の気持ちがよくわかるので、手のあげにくさ、友だちとの付き合い方、SNSの使い方を子ども目線で考えていけたらと思います。

・学習意識調査を自分一人では読み解けない部分を、シンポジウムを聴き様々な視点から考えることができました。社会情勢と子どもたちの現状を考え、子どもたちのより良い成長に生かしていくことができればと思います。

・それぞれの立場での見方や考え方で話してもらえたので、どの内容も興味深く聞くことができました。保護者の方の「友達づきあい」の分析になるほどと納得いたしました。「づきあい」だけで、今の子ども達は満足や充実を味わえているのかが気になりました。私達が子どもの頃とは感じ方が違ってきているのでしょうか。それとも心は満たされてない思いなのでしょうか。

・56年間も調査をしているのを初めて知りました。グラフで見るとその時代の様子を伺い知ることができました。教員として勉強したいという意欲を掲げる子が増える一方で現状では不登校が増えているという、その格差を埋めるには“友達づきあい”が関係しているのではないかなと感じました。シンポジストに様々な立場の方が参加して頂いたのが良かったです。

・調査結果について様々な立場から検証することで、この歴史ある調査がより価値あるものに感じられました。壇上の皆様の柔軟なお考えに多くのご示唆をいただきました。ありがとうございました。