夏の研修講座「児童生徒理解」(兼土曜研修講座2022第5回)が開催され、小学校から34名、中学校から4名の参加がありま

 した。

  夏休み明けの児童生徒の変化や保護者の不安にどう対応すればよいか、その変化を理解する視点やチームでの対応方法等を学ぶことを通し、

 支援力の向上だけでなく、教師自身のストレス軽減や不安の解消につながる研修となりました。

 

 【日時】2022年8月22日(月)9:00~12:00

 【場所】藤沢市教育文化センター 大会議室

 【講師】明治中学校      総括教諭(養護教諭)  納富 弥生 氏

     学校教育相談センター スクールカウンセラー  小宮 真芙美 氏  

 【内容】

  「子どもたちをどう見るか 養護教諭の目」 納富 弥生 総括教諭(養護教諭)

     

   最初に養護教諭がどのような一日を送っているか、また、子どもたちを「観る」「診る」「看る」「視る」養護教諭の視点や方法を知ることで、担任としての子どものみかたや声かけのしかたについて学びました。

 次に「授業中、女子二人で保健室にくる」「ある特定の授業のときに保健室にくる」2つの事例について、担任としての対応を考えて共有し、押さえるべきことを学ぶことで、担任としてどうしたらよいかを確認することができました。

 最後に、教師が対応力を高めるためのヒントを知り、自身の心身の健康を保つコツを学ぶことで、2学期に子どもたちを迎えるにあたっての力を得る研修となりました。

 

  「支援を考える時のヒント」 小宮 真芙美 スクールカウンセラー

   

 気になる子どもたちに関わるときには、支援する教師自身の「安全・安心」が重要であることから、初めに藤沢市にある「資源」を知ったうえで、各自、自分の中の支援ネットワークを確認するワークを行いました。

 次に、夏休み明けの子どもたちの気になる様子を予想し、「面倒・迷惑な子」としてではなく、「困っている・安心感が失われている子」と捉え、丁寧に話を聴くことの大切さと方法を学びました。

 さらに、2つの架空事例を用いて「氷山モデル」での客観的な把握の方法や保護者対応、チームでの対応等について考え、夏休み明けの子どもたちへの対応について、多くのヒントを得ることのできた研修となりました。

【受講者の感想】

・児童を理解する上で、自己有用感の大切さについて改めて考えることができました。特に「やりだしたときに秒でほめる」については担任とし  て中々できていないところでもあったので、夏休み明けに生かしていきたいと思います。「氷山モデル」について、その事例の背景には何があるのかを、この手法を使うと、すっきりと整理することができるので、その時が来たら活用したいと思います。(小学校)

・クラスによく体調不良を訴え、保健室に行く子どもがいるのですが、どう対応したらいいか分からないことがあり、迷うことが多かったです。この研修を機に、担任としてどう関わるべきか、明確になりました。(小学校)

・児童・保護者に対しての考え方が変わりました。困っている人に寄り添うには、今までの自分の考え方ではよくなかった、もっと客観的に考えられればよかったと感じました。今回の研修で自分の課題が見えて、2学期へのモチベーションが上がりました。(小学校)

・「観る」ことや「30秒の共感」など、すぐに実践できそうなことがたくさんありました。失敗できる安心できる教室づくりを子どもたちと一緒に作っていきたいと思いました。(小学校)

・支援者となる自分自身が心身ともに健康であることの大切さを感じた。(小学校)

・担任としてできることを精一杯やりながら、周りの資源をどう生かしていくのか考える必要がある。問題を一人で抱え込まず、チームとして対応していくことが大切である。(小学校)

・今日の研修を受けて、「養護教諭の4つのみる」「自分モードへの切り替え」「イライラした保護者の見方」の3つについて、興味をもちました。自分は担任の立場しか経験していないため、養護教諭やSCからみた児童生徒について知ることができてよかったです。(中学校)