神奈川県教育研究所連盟とは、神奈川県内の教育研究所などが連携して、調査研究等の進展を図っている組織です。
(神奈川県教育研究所連盟HP)

県内の教育研究所が研究成果を持ち寄って、年に一度研究発表大会を開いています。

今年度は、川崎市の教育研究所が担当です。

10月14日(金) <「生きる力」を育む神奈川の教育>を大会テーマに、川崎市高津市民会館、川崎市総合教育センターを会場に行われました。

藤沢市教育文化センターからは、昨年度研究報告書や紀要を発行した

◇教育課題調査研究部会

◇社会科研究部会

◇理科研究部会

◇情報教育研究部会

◇教育実践臨床研究部会(2発表)

より、5つの研究部会が研究の成果を発表しました。


<全体会・記念講演>

  

講演テーマ:学ぶ楽しさー身のまわりのことや中国古典から学ぶ
講師:東京理科大学教授 藤嶋 昭 氏


<第1分科会>

教育実践臨床研究部会より

物語の世界にひたる
~小学校国語科における教育実践臨床研究の実際~

 

 鷹野 全宏 元研究員(小糸小)

   「見えることからの授業の再構築」を研究テーマに行った小学校4年国語科「ごんぎつね」の実践を詳しく紹介しました。一連の研究を通して授業者が経験した物語教材に対する指導観の転換や、子どもと教師の成長につながる臨床的アプローチの特徴は、参加者の多くの関心と共感をよぶことになりました。 

 

<第2分科会>

社会科研究部会より

社会的事象を自らの生活とつなげながら、多面的・多角的に深め合う授業づくり

 

  瀬戸 宣武 元研究員(亀井野小) 川野 真一郎 元研究員(小糸小)

 子どもたちに社会科を学ぶ楽しさや、更にどのような力をつけたらよいのかを協議する中で、小・中の学びの連続性を意識することが必要であると考えて研究テーマを設定した。社会科としての基礎基本とは何か、それを身に付けさせるためにどのような視点を持たなければいけないのかについて、「自らの生活とつなげながら」「多面的・多角的に深め合う」ことを授業にどのように生かしていくかを研究し報告しました。特に、子どもたちの思考が「点」になっているという課題については、「and」ではなく「but」を引き出しながら「線」としてつなぐことが、思考をより深めていくことになるという提案に共感を得ることができました。

 

 <第4分科会>

理科研究部会より

理科教育実践の発信  ~研修講座の講師を通して~

   

 川崎 俊也 研究員(鵠沼小)    横溝 和子 研究員(高浜中)

  教育文化センターの理科講座講師として取り組んだ4年間の研究成果をまとめた「ひとめでわかる!理科」の研究報告書について発表しました。学年見開きで一年分の学習をとらえやすくしている点、小中のつながりを一目で理解しやすいようにしている点、紹介している観察・実験がどこの単元に関わりがあるのか等、「理科を苦手と感じている先生だけでなく、授業づくりという視点からも大変工夫された研究冊子になっていますね!」と参加された他市町の先生方からうれしい反響がありました。

 

<第5分科会>

教育課題調査研究部会より

第11回「学習意識調査」について ~

  

 三木 匡仁 研究員(大鋸小) 高野 俊明 研究員(駒寄小) 下重 理敬 研究員(長後中)

 第11回学習意識調査の報告を受け、「勉強の意欲」の「もっと勉強をしたい」の増加が見られたが「勉強はもうしたくない」が微増したことや、新設項目の「学習方略(勉強のやり方)」と「学習意欲」との関わりが見られたこと等、特徴的な結果6点を中心に、初めて目にする方でも分かり易く伝わるようにていねいに情報発信しました。

 研究協議では、調査結果の活用や他市町の取り組みについて情報交換をしました。

 

<第6分科会>

情報教育研究部会より

ICTを活用した学びの充実
  ~学びの共有・楽しい授業をめざして~

  

 関 雄樹 研究員(藤沢小)  石橋 隼人 研究員(辻堂小)

  過去四年間に各研究員がタブレットを使用して実践した授業実践例を発表しました。実践例は、小学校での美術鑑賞の授業、算数の授業、体育の授業、そして中学校での数学の授業、理科の授業、とそれぞれの実践の発表でした。タブレットの活用の仕方はそれぞれ異なった活用の仕方をしており、他地域の先生方にとっても参考になったと思われます。

 

<第10分科会>

教育実践臨床研究部会より

子どものイメージから探究心が深まる授業
~中学校理科における教育実践臨床研究の実際~

 

 小林 隆太郎 研究員(滝の沢中)

 この発表では、中学校1年理科の実践から「凸レンズの性質(光)」「 圧力」「身のまわりの物質」の3つを取り上げ、既存の授業研究と臨床的アプローチの違いや、子どもの探究心が深まる授業を創り出すための「授業予測」と「ねがいの明確化」の大切さを詳しく紹介しました。授業の手立てがねがいの実現へと具体的に結びつくことで、子どもたちにとっても教師にとっても授業が楽しいものへと変化することを、多くの参加者と分かち合うことができました。