日 時:2019年11月14日(木)

場 所:神奈川県総合教育センター善行庁舎

テーマ:「未来を拓く・創る・生きる」力を育む

主 催:神奈川県教育研究所連盟、厚木市教育研究所、大和市教育研究所、海老名市教育委員会教育支援課

    座間市教育研究所、綾瀬市教育研究所、愛川町教育研究所

藤沢市教育文化センターからの報告(4本) 「社会科研究部会」「情報教育研究部会」「教育実践臨床研究部会」(2本)

 

<全体会・記念講演>

演 題:「不登校対応のこれまでとこれから」

講 師:小熊 広宣氏(全国不登校新聞社・事務局長)

 「不登校児童・生徒数の推移」「不登校についての考え方」(これまで)から、「都道府県や市町村における官民が連携した不登校支援の取り組み」「不登校支援のポイント」(これから)まで、具体的にお話しいただきました。

 

分科会での報告の様子

<第1分科会>

テーマ:「子どもが問いをもつ社会科の授業づくり」     

発表者: 木村 恵・有留 志保(社会科研究部会)

   

 

 社会科研究部会では、テーマに迫る手立てとして、①効果的な教材の使用②日常生活との関わりの中で、見方や考え方の変化に気づけるような授業展開③葛藤を生むための時間、この3点を設定し、子どもが問いをもつ授業づくりに向け、研究を深めてきました。

分科会においては、小・中学校での研究授業の映像をもとに実践を振り返り、子どもが問いをもつ授業の実現には教材研究と子ども理解が両輪として必要であること、抽出児童生徒の発言やつぶやきに潜む問いを注意深く拾っていくことの大切さなど、研究の成果や課題について報告しました。協議においては、テーマに係る内容や社会科と総合的な学習の時間との関連について話し合われました。 

 

<第2分科会>

テーマ:「本物の知識」を手に入れるために

      ~中学校理科における教育実践臨床研究の実際~

発表者:山﨑 智(教育実践臨床研究部会)

  

 教育実践臨床研究部会では、「見えることからの授業の再構築」を研究テーマに掲げ、研究員各自が、日々の子どもとのかかわりの中から自分のねがいを明確にし、実施した授業の振り返り(授業リフレクション)を通して、授業改善の手がかりを自分自身の授業の中から得ていくという研究を長期にわたって行っています。今回はその実際例として、2019年3月に発刊した紀要『授業をこの手に取り戻す~教師の矜持~』より、中3理科の実践を取り上げ詳しく紹介しました。参加者からは、授業を通して生徒が「本物の知識」を得られるように、授業者が行った一連の試行錯誤を支えた授業リフレクションの方法について、多くの質問が寄せられ、関心の高さがうかがえました。

 


<第3分科会>

テーマ:授業をこの手に取り戻す

     ~算数・数学科における教育実践臨床研究の実際~

発表者:須山 達也・好川 大貴(教育実践臨床研究部会)

  

  

 教育実践臨床研究部会の2つ目の発表では、紀要『授業をこの手に取り戻す』より、子どもたちの「できた!」を追求した小5算数と中1~2数学の実践を取り上げ、教育実践臨床研究の実際を詳しく紹介するとともに、「授業をこの手に取り戻す」とはどのようなことなのか、目の前の子どもと向き合い、子どもの姿から授業を創り出していく、臨床的アプローチの重要性を示しました。協議では、従来の授業研究のあり方に対して、子どもの姿に焦点をあてた教育実践臨床研究の方法が話題となり、藤沢市内の校内研究に取り入れられている様子が紹介されたほか、司会からは、これからの授業研究の方向であることが確認されました。

 


<第5分科会>

テーマ:ICTを活用した学びの充実

     ~日常で使える簡単活用術~

発表者:田代 英・伊藤 雄(情報教育研究部会)

   

  

 誰でも簡単にICT機器を活用できることを目指し、日常の授業において、“子どもたちに指示を与える場面” “基礎・基本の定着をはかる場面” “情報を共有する場面” の3つの場面におけるICT活用術について、3年間の実践研究と成果を報告しました。他地区の研究機関から「教科等横断的な視点で育てる情報活用能力の研究」 「タブレット端末を効果的に活用した授業づくりに関する調査研究」の発表があり、子どもの学びの充実に向けたICT機器のもつ有用性を視点に多くの意見が交わされました。