授業研究セミナー ~見えることからの授業の再構築⑤~

  1月28日(水)5校時  小学校5年国語科:わらぐつの中の神様

            感じたことを言葉に

 藤沢市立長後小学校にて、研究員2年目の佐藤遼先生が授業研究セミナーを行いました。
先生は「物語を読んで感じたことを伝え合う授業を通して、子どもたちに考える視点を広げ
てほしい」というねがいのもとに行っています。
 本時は、「わらぐつの中の神様」の8時間目。おみつさんの作ったわらぐつを
何度も買ってくれる大工さんに理由を尋ねるところから、「およめさんになってくれ」と
言われる場面までを読んで、感想を書いてみんなで意見の交流をするという流れでした。
 子どもたちは多くの参観者の中で緊張はあるものの臆することなく、友だちの意見に、
私はこう思うと、活発な意見を出していました。

 

 

 授業後の振り返りの場は、「振り返りシート」を用いて集団による授業リフレクションを
行いました。
ここではシートの「事実」の欄を中心に互いの見取りを交流することで、授業の中で
起きていたことを集団で確かめていきました。

 佐藤先生のこの日の授業の印象は、『もっとやりたかったな』というものでした。
というのも、「おみつさんはただやさしいのではなく、心やさしいのではないか」
「おみつさんは大工さんの憧れなのではないか」等々、子どもたちからたくさんの考えが
出されたところでチャイムが鳴り、話し合いの途中で時間切れとなってしまい、
残念な気持ちが強かったからでした。

 また、授業の中で起きていたことの確かめでは、佐藤先生が一人ひとりの子どもについて、
ねがいを指導案の中に書いていましたので、その視点で参観者からは子どもの見取りが数多く
出され、次時に向けての具体的な手がかりを得る機会となりました。

  

 


 

 授業研究セミナー ~見えることからの授業の再構築④~

  12月1日(月)5校時  小学校4年社会科:地域の昔を探ろう 

       子どもたちが追究する授業

 藤沢市立本町小学校にて、研究員2年目の内海里美先生が授業研究セミナーを行いました。
本時は、学区にある白旗神社に納められている算学(昔の算数の問題)を紹介し、
「どうして白旗神社に和算の問題があったのだろうか」と、資料をもとに推測し、
みんなで考え話し合っていきました。

 「宿場町には、算学を納めている神社が多いんだ」
 「藤沢では、寺子屋に行っていた子が少ないんだね」 
 「旅人が、算数の問題を解きっこしていたんだよ」等々、子どもたちから意見が出ました。

                                

  

   

 


 授業研究セミナー ~見えることからの授業の再構築③~

  11月18日(火)5校時  小学校4年国語科:ごんぎつね 

       物語の世界にひたる

 藤沢市立小糸小学校にて、研究員3年目の鷹野全宏先生が授業研究セミナーを行いました。今回の先生のねがいは「子どもたちが物語の世界に入って、ごんのそばにいるような感覚で物語りにひたる姿が見たいと思う」というものでした。

 これまで、「ごんぎつね」を場面ごとに読んで、その都度、互いの思いを交流してきたので、子どもたちは「ごんと兵十が仲良くなって友だちになったらいいな」「兵十がごんのつぐないの気持ちをわかってくれるといいな」と、ごんを応援していました。

 そして、今日は第9時。最後の場面(ごんが兵十に撃たれてしまう)を読み終えた子どもたちの表情は、声にならないという感じでした。

 「なんで?!」「悲しい…」「兵十も後悔している」「ごんの気持ちが伝わらなかったね」「でも兵十の問いかけにごんはうなずいていたから…」等々、自分たちの気持ちを話していました。

 参観者とともに行った集団による授業リフレクションでは、授業の流れに沿って物語と向き合う子どもたちの具体的な姿が一つひとつ丁寧に確かめていくことができました。

 また、授業の最後の場面では、授業者の思いと子どもたちの思いとの間にズレが生じていたことも明らかとなり、次時を考える上での手がかりが得られただけでなく、今後の物語教材の指導に向けても大きな示唆を得ることができました。

 


 授業研究セミナー ~見えることからの授業の再構築②~

  10月21日(火)5校時  中学校3年理科:力と物体の運動 

      子どもたちの気づきから自然事象の本質に迫る

 藤沢市立滝の沢中学校の理科室にて、研究員2年目の小林隆太郎先生が授業研究セミナーを行いました。
セミナー当日の授業は、「力がはたらき続けると運動はどのようになるのか」という課題の元、
各グループが考えた実験を実際に行いました。

 斜面の角度によって速さは変わるのか? 質量の大きさによって速さはどうなるのか? スタート位置を変えると?…等、
生徒たちはそれぞれに協力し合って取り組んでいました。角度が大きくなった時の生徒のドキドキした表情が印象的でした。
記録テープの貼り付けで残念ながら時間がきてしまい、考察は次時へと持ち越されました。

   
衝撃を吸収するためのスポンジもあります。 この角度だとスピード、すごくない?

授業後の集団による授業リフレクションでは、「参観者から生徒たちの様子が聞けて

次時に向けて参考になりました」と話していました。

なし


 授業研究セミナー ~見えることからの授業の再構築①~

  9月29日(月)5校時  中学校3年数学科:関数y=x2  なぜそうなるのか

 藤沢市立善行中学校3年2組にて、研究員3年目の山下太一郎先生が授業研究セミナーを行いました。
セミナー当日の授業は教科書にない内容でしたが、X、X、X・・・と、
グラフの形が不思議であるが故に興味をもちやすく、
数学の得意な生徒も苦手な生徒も、どのようになるのだろうと考える姿が見られました。

  X、X、Xのグラフの形は?

授業後の集団による授業リフレクションの場では、授業の中で起きていたことを丁寧に振り返りました。

普段、発言の少ない生徒も積極的に取り組んでいる姿が確かめられ、
授業者は振り返りの最後に、
「今日のような『なんで?』と考える授業を、普段の授業にどう活かしていくか今後の私の課題です」
と述べていました。

あき


仲間と共に授業から学ぶ~授業研究セミナー~

教育実践臨床研究部会では、「見えることからの授業の再構築」を研究テーマに掲げ、
研究員各自が、目の前の子どもとの日々のかかわりの中から自分の「ねがい」や実践上の課題を明確化し、
それをもとに自分なりに「やってみたいこと」や「追究したいこと」などをサブテーマとして定め、
長期間にわたる授業実践研究に取り組んでいます。

『授業研究セミナー』は、そうした授業実践研究の一端を公開し、授業者と参加者が各自に経験された授業を出し合い、
交流することを通して、授業の中で起きていたことを集団で確かめていくことに主眼があります。

つまり、授業者が授業の善し悪しといった意味での評価を受ける場にするのではなく、互いに経験された授業の違いを明らかにすることで、
目の前で起きていた授業の多様性に気づきを深めるとともに、一人ひとりの子どもに経験されていた授業の事実に接近しようとするのです。

今年度は以下の5つの授業研究セミナーを実施します。ぜひご参加ください。


 中学校3年数学科:関数 y=x2

 

 

   なぜそうなるのか

 

 

     

 

 やま

       日  時:9月29日(月)13:15~

       場  所:藤沢市立善行中学校

       授業者:藤沢市立善行中学校教諭     山下太一郎 氏

       講  師:元藤沢市教育文化センター長   富岡 英道 氏


  2次関数のグラフの形を知識として受け入れるにとどまらず、2次関数のグラフの概形を考える学習を通して、根拠をもつことの大事さを意識させたいというねがいのもとに授業を行います。

 

 

中学校3年理科:力と物体の運動

 

 

 

   子どもたちの気づきから自然事象の本質に迫る 

 


         日  時:10月21日13:15~

       場  所:藤沢市立滝の沢中学校

       授業者:藤沢市立滝の沢中学校教諭   小林隆太郎 氏

       講  師:千葉県立保健医療大学教授   井上  裕光 氏

 

 

 

 

 


 今回は「力と物体の運動」という単元において、ガリレイやニュートンが本質を明らかにしていったように、万物の運動の本質に子どもたち自身が気づくような授業にしていきたいというねがいをもって臨みます。

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小学校4年国語科:ごんぎつね

    物語の世界にひたる 

 

 

 

 

 

       

 

       あき

       日  時:11月18日(火)13:40~

       場  所:藤沢市立小糸小学校

       授業者:藤沢市立小糸小学校教諭      鷹野 全宏 氏

       講  師:千葉県立保健医療大学教授      井上 裕光 氏

 

くの
 それぞれが考えたことをクラスのみんなで語る中で、さらに想像をふくらませながら物語を読み、純粋にこの作品の世界にひたる子どもの姿が見たいというねがいをもって授業を行います。

小学校4年社会科:地域の昔を探ろう

   子どもたちが追究する授業

あき

       日  時:12月1日(月)13:40~

       場  所:藤沢市立本町小学校

       授業者:藤沢市立本町小学校教諭      内海 里美 氏

 

       講  師:慶應義塾大学教授           鹿毛 雅治 氏

 

 

 

あき
  「昔の藤沢の人々と算学との関わり」という単元を貫くテーマをもとに、見学したものから考えたり、資料を分析したりする活動を行います。
  子どもたちの意見の交流の中から出てくる気づきを大切にし、話し合いの活動通して深まりの見られる授業にしていきたいとねがっています。

あき

 

小学校5年国語科:わらぐつの中の神様

    感じたことを言葉に

あき

       日  時:1月28日13:40~

       場  所:藤沢市立長後小学校

       授業者:藤沢市立長後小学校教諭      佐藤  遼 氏

       講  師::慶應義塾大学教授          鹿毛 雅治 氏

あき
  書いたり話したりすることで、自分の思いを言葉にして伝えられる子が次々に増えていくクラスの姿が見たい、というねがいをもって授業を行います。

 

 

あき

 

 


 校内研究の支援 

あき


  藤沢市立藤沢小学校・校内研究全体会にて、「授業づくりと振り返りの視点~実りある校内研究に向けて~」をテーマに、部会担当者の目黒悟主任研究員が講義を実施しました。(8月29日)

 

 

 

まあ

 

 

 


2014年6月13日(金)第3回研究部会の様子

 

 

 

      講  師:元藤沢市教育文化センター長   富岡 英道 氏のの