第11回部会

日 時:1月17日(木)

場 所:教育文化センター 教育メディア資料室

内 容:・江原研究員のリフレクションシートによる授業リフレクションの体験に向けて

    ・野村研究員の経過報告、今後に向けて

    ・須山研究員の取り組みの総括、今後に向けて

    ・研究報告会に向けて

 この日の部会では、まず江原研究員のリフレクションシートによる授業リフレクションの体験に向けて検討を行いました。4年生社会科で寄木細工の授業を行うにあたり、江原研究員からは、子どもたちに考えさせたい内容について語られ、他の研究員からは、発問や授業で使用する資料の取捨選択について質問がありました。

 次に、野村研究員が3学期に行う公民の単元の流れや、考えている事例について検討しました。今までのように、子どもとのやりとりからつないでいきたいという思いがあるものの、現在のところ取り上げる事例や題材に迷いがあることが報告されました。

 須山研究員は、今年度の取り組みと、研究員としての3年間を振り返っての総括を行いました。研究員OBから「地道に積み重ねてきて、子どもと共に変化してきた、3年間の須山さんの変容にグッときた」というコメントもあり、須山研究員は「子どもたちの色々な考え方に出会えるので、授業が楽しいと感じられるようになった。部会にかかわるようになって授業の見方が変わりました。授業を振り返ることが多くなり、子どもたちの変化を見て、明日どうしよう、次はどうしようと考えるようになりました」と嬉しそうに語る姿が印象的でした。

  3月の研究報告会では、須山研究員と山﨑研究員の2名が、部会での3年間の取り組みを報告する予定です。着々と準備を進めています。

 


第10回部会

日 時:12月25日(火)

場 所:教育文化センター 教育メディア資料室

内 容:・山﨑研究員のセミナー後の経過報告、単元(中3理科・化学変化とイオン)を通しての振り返り

    ・須山研究員のセミナー後の経過報告、単元(小5算数・比べ方を考えよう)を通しての振り返り

    ・野村研究員のセミナー後の経過報告、単元(小6社会・戦争と人々の暮らし)を通しての振り返り

 セミナー後の経過報告については、いつものように各研究員によって詳細に記述された授業の様子をもとに、時間をかけて丁寧に子どもの事実とそこでの授業者の判断や具体的なかかわりを確かめていきました。また、単元を通しての振り返りでは、次のように、それぞれが実践を通して得た手応えや気づきが語られました。

「セミナー後の授業では、教科書が求める考察以上の考え方を生徒たちは見せてくれた。1年生のときから、今回のように考えることができる授業を行っていった場合、彼らの考える力はどれほどになったのだろうかと振り返って思った」(山崎研究員)

「考えが一つではなく他の方法はないのか模索したり、本当にこれでいいのか、もっと簡単な方法はないのかと考えを深めたりする子どもたちの姿が毎時間見られた。事前につまづくポイントを予想し、手立てを考えて授業に臨むことで、子どもたちの『できた』『わかった』姿につながることを実感できた」(須山研究員)

「単元の最後に『今までの学習を通して』を子どもたちが書いたが、ここまで書くとは思わなかった。どの子も戦争という事実に触れながら、自分の思いを書けていた。授業中は意識して『つぶやき』を拾うように心がけたことで、子どもが積極的に発言するようになり、学習の深まりにもつながることがわかった。子どもと資料をどのように出会わせるのか、資料を精選する難しさと大事さを実感した」(野村研究員)

  

 


第9回部会

日 時:12月11日(火)

場 所:明治小学校

内 容:教育実践臨床研修講座 授業研究セミナー

   つながっていく歴史~自分なりの見方をもつために~(小学校6年社会科:戦争と人々の暮らし)

授業者:野村 紫苑 研究員

講 師:慶応義塾大学教授 鹿毛 雅治 氏

 研究員2年目の野村研究員は、「当時の子どもはどう思っていたのかを考えてほしい」というねがいを持って本時に臨みました。
戦時下の学校で行われていた授業に関する資料を示すと、食い入るように資料を見つめ、そこから何が読み取れるのか熱心に考える子どもたちの姿がありました。また、読み取ったことや気づいたことを交流する場面では、自分の考えを積極的に発言し、友だちの考えに触れ、自分の考えを深めていく様子も見られました。  

  

 

 集団による授業リフレクションの場で、野村先生が最初に語った授業の印象は、「時間が足りなかった」でした。一つひとつの資料に対して、もっと子どもと考えたり、途中で出た気づきを深めたりしたかったと感じたことが、この印象につながったそうです。

 その後、参観者と共に子どもの事実を丁寧に出し合い、確かめていくと、一人ひとりの子どもが資料としっかり向き合って考えている様子が浮き彫りとなり、リフレクションの最後には、野村先生から「授業の印象が『子どもがよく考えていたな』に変化した」との感想がありました。また、子どもたちが「当時の子どもはどう思っていたのかを考える」ためには、「今だから言えること」と「当時言えること」を整理する必要があることも確かめられたことから、今後に向けては、授業の中で子どもたちと資料をどのように出会わせるのかも話題にすることができました。

 

 


第8回部会

日時:11月15日(木)

場所:教育文化センター 教育メディア資料室

内容:授業研究セミナーに向けての指導案検討

 この日の部会では、12月11日に小学校6年社会科で授業研究セミナーを予定している野村研究員の指導案検討を行いました。野村研究員は、歴史学習を通して、子どもたちが「当時の人びとの思いを考えたり、自分だったらこうすると考えたりすること」を大切に実践を模索してきました。セミナーに向けては「戦争と人々の暮らし」の単元で、どのような資料と子どもたちを出会わせたらよいのかを中心に検討しました。(写真は検討した資料の一例) 

   


第7回部会

日 時:10月23日(火)

場 所:富士見台小学校

内 容:教育実践臨床研修講座 授業研究セミナー

    考えよう!伝えよう!楽しい算数へ(小学校5年算数科:比べ方を考えよう)

授業者:須山 達也 研究員

講 師:慶応義塾大学教授 鹿毛 雅治 氏

 研究員3年目の須山先生は、今年度4月より、「算数の授業を通して『算数って楽しいね!』『もう一問解きたい!』など、進んで学びたいという姿や、『わかった!』『できた!』と達成感を味わう姿に出会いたい」と願って授業実践研究を行ってきました。
この日公開した授業は、250gで140円のもち米と、350gで210円のもち米では、どちらを買った方がお得かを考えるというものでした。「どちらがお得かみつける方法は?」との問いかけにも、子どもたちから「条件をそろえる」「最小公倍数」「平均」「□の図」「1g、何円か」「1円で何gか」といった言葉が次々と出されます。その後は、まず個人で問題に取り組んでいきましたが、これまでに学んだことを総動員して、熱心に考える子どもたちの姿がありました。また、グループになって考えを共有する場面では、「どちらがお得か」について意見を交流している姿も見ることができました。

  

 

 須山先生が集団による授業リフレクションの場で最初に語った授業の印象は、「よく考えていたな」というものでした。導入時の問いかけに対する子どもたちの反応や、個人で問題に取り組む姿、グループでの話し合いの様子などが、この印象につながったそうです。

 その後、参観者とともに子どもの事実を丁寧に出し合い、確かめていくと、熱心に取り組んでいる子どもたちの姿がよりいっそう明確になる一方で、中には立式はできても求めた答えが何を表しているのかわからなくなってしまう子どもがいたり、各グループから出された考えの中にはメンバー間でシェアされたものではなく、一人の子どもの考えだったりしたことが明らかになりました。
これまでの須山先生は、「お助けシート」や「ヒントカード」などの工夫のほかにも、単元計画に応じてつまずいている子どもへの手立てを丁寧に用意することで、算数に積極的に取り組む子どもたちを育ててきました。今回のセミナーで確かめられた子どもの事実は、次時に限らず、今後も子どもたちのモチベーションを持続し、「わかった!」「できた!」を増やしていくための大事な手かがりとなりました。 

 


第6回部会

日 時:9月25日(火)

場 所:六会中学校

内 容:教育実践臨床研修講座 授業研究セミナー

    「本物の知識」を手にするために(中学校3年理科:化学変化とイオン)

授業者:山﨑 智 研究員

講 師:元藤沢市教育文化センター長 富岡 英道 氏

 山﨑研究員は、研究員2年目だった昨年度から、生徒に「理科は暗記だと思ってほしくない」、「なぜ」「どうして」と疑問をもたせ、生徒自身が「考える」ということを大切に授業実践研究を積み重ねてきました。

 本時は「化学変化とイオン」の単元で、導入は、次の2つの演示実験から始まりました。

 演示実験①…塩酸と水酸化ナトリウムの中和を見て、電気が流れるのか、電子オルゴールを使い確認する。

 演示実験②…硫酸と水酸化バリウムの中和実験で、電気が流れるのか予想した後に、実験を見る。

 こうして、演示実験②の結果、「最初は電気が流れやすい(Ⅰ)が、中和が進むにつれて電気が流れにくくなる(Ⅱ)、そして、硫酸を入れ続けるとまた流れるようになる(Ⅲ)」ことを全体で確認し、展開では、「なぜ(Ⅰ)→(Ⅱ)→(Ⅲ)のような変化が起こったのか」「演示実験①と②では何が違うのか」について個人で考え、さらに班で互いの考察を共有し、適宜、自分の考察を見直すという流れで授業が進みました。 

 

 集団による授業リフレクションの場では、最初に山﨑研究員より「うれしかった」と授業の印象が語られました。真剣に考察を考えている個々の生徒の姿や、班で話し合う中でこれまでに学習したキーワードが飛び交っていた様子が、この印象につながったとのことでした。その後、参加者と共に授業中の生徒の具体的な姿を丁寧に出し合っていくと、授業者に見えていなかった「考え抜く」生徒の姿も浮き彫りとなり、授業者が授業中に得ていた手応えをより確かなものにすることができました。また、教材として「硫酸と水酸化バリウムの中和実験」を取り上げたことや、生徒が考えに行き詰まった際のヒントカードの準備など、生徒が考えられるようにするために、教師が授業のしかけについて「考え抜く」ことの大切さも話題にすることができました。      

 


第5回部会

日時:9月4日(火)

場所:教育文化センター 教育メディア資料室

内容:各研究員の授業研究セミナーに向けての指導案検討

 

 この日の部会では、9月25日に授業研究セミナーを予定している山﨑研究員の指導案検討を中心に行いました。山﨑研究員は、中学校理科の授業を通して、「なぜ」「どうして」と、生徒に疑問を持たせ、生徒自身が「考える」ということを大切に実践を模索してきました。セミナーに向けては「化学変化とイオン」の単元で、どのようにして子どもの中に「考える必然」を生み出すか、そのための発問や授業の具体的な展開について議論しました。

 また、10月23日に「小5算数・比べ方を考えよう」の単元で、授業研究セミナーを予定していてる須山研究員からは、毎時間ごとに「予想される子どものつまずき」とその子への「手立て」を記載した単元計画の提案がありました。このような単元計画の工夫は、目の前の子どもと創る授業を考えていく上で、授業者の視点を明確化することにつながるだけでなく、部会メンバーにとっても、子どもの具体的な姿が思い描きやすくなり、授業者の実現したい授業の方向を理解しあうのに一役買いました。

 

 


第4回部会

日時:7月13日(金)

場所:教育文化センター 教育メディア資料室

内容:各研究員の経過報告と、今後の取り組みに向けて

(当日6校時、野村研究員の授業参観(講師の鹿毛雅治先生(慶應義塾大学)とともに参観)

 

  

 臨床部会の文化の一つとして、研究員による「経過報告」は、日付を付して、その日の授業の一言印象と、授業の中での子どもの様子や授業者とのかかわりを、時間の流れに沿って詳しく記述するかたちになっています。これを部会メンバーとともに検討していくことで、授業の中で子どもに起こっている事実を明らかにしていくのです。

 今回の各研究員の経過報告からは、前回の部会以降の取り組みを通して、授業者自身が、授業の中で得ている「子どもが考える」姿の手応えや、前時の子どもたちの姿から、次時のアプローチを柔軟に変えていく授業者の姿を確かめられました。また、今後に向けては、授業の中での子どもたちの経験を次の授業へと、さらに今後の授業へとつなげていくような単元づくりが大切であることも確認しました。

 また、夏の研修講座や神奈川県教育研究所連盟研究発表大会に向けて、担当者との打合せも行い、準備を進めています。 

 


第3回部会

日時:6月5日(火)

場所:教育文化センター 教育メディア資料室

内容:この日の5時間目に須山研究員の授業を参観後、以下について検討を行いました。

   ・山﨑研究員の経過報告と、今後の取り組みに向けて

   ・須山研究員の経過報告と、今後の取り組みに向けて

   ・野村研究員の所信表明と、今後の取り組みに向けて

   ・1年目の諸星研究員、飯島研究員は、カード構造化法による授業リフレクションについて

 各研究員の経過報告については、授業者によって詳細に記述された授業の様子をもとに、子どもの事実を確かめていきました。また、今後の取り組みに向けては、子どもの事実をもとに、どのようなねがいをもって授業を行っていきたいのか、各研究員が予定している次の単元の構想を中心に検討を行いました。

 毎年新研究員の方には、授業リフレクションの方法の中からカード構造化法を体験してもらっています。それを3回行うことで、今後自分が追求していきたいことや授業の課題などが見えてきます。

 

須山研究員の授業         飯島研究員の授業

         

  


第2回部会

日時:5月22日(火)

場所:教育文化センター 教育メディア資料室

内容:この日に野村研究員、須山研究員の授業参観があり、その後以下について検討を行いました。

   ・山﨑研究員の所信表明と、今後の取り組みに向けて

   ・5月10日に行ったカード構造化法による授業リフレクションについて(1年目の諸星研究員)

 この日の検討では、理科の授業の中で、山﨑研究員が見たい「考える子ども」の具体的な姿について議論しました。議論を通して、授業者が見たい子どもの姿を明確にすることの重要性を再確認しました。 

部会               諸星研究員の授業  

   

 


第1回部会

日時:4月19日(木)

場所:教育文化センター 教育メディア資料室

内容:辞令交付

 

 新しい研究員3名が加わり、平成30年度の教育実践臨床研究部会がスタートしました。

 部会の前身である教育メディア研究部会の発足から数えて、今年は30年目となります。研究のさらなる深化と発展を目指して、今年度も「見えることからの授業の再構築」を研究テーマに、次のことを重視して研究に取り組んでいきたいと考えています。

①教育実践臨床研究の持続と発展のための、研究員による授業実践研究の地道な積み重ね
②教員の世代交代を視野に入れた「学ぶこと・教えること」の本質のたゆまぬ研究
③教育実践臨床研究のさらなる普及拡大

 研究員辞令交付式の後、須山研究員による新研究員のためのオリエンテーションが行われ、さらに今年度授業実践研究を行う、山﨑研究員(中3/理科)、須山研究員(小5/算数)、野村研究員(小6/社会)から「この1年間どんなねがいをもって取り組んでいきたいか」所信表明が行われました。