第11回 部会

 日 時:2018年2月22日(木)

 場 所:富士見台小学校

 内 容:研究員、研究員OB、部会担当者による授業参観と集団による授業リフレクション

 授業者:須山 達也 研究員(小学4年 社会科 単元名「私たちの県」)

 研究員2年目の須山先生は「社会科を通して、友だちと関わり自分の考えを広げられる子どもを育てていきたい」というねがいをもって社会科の授業に取り組んできました。神奈川県についての学習の最後に、子どもたちが旅行会社の社員としてお客様に提案するという設定で、神奈川県日帰りツアーをグループで計画し、本時は、保護者に向けてのツアー発表のリハーサルでした。

 研究員、研究員OB、部会担当者による授業参観の後、集団による授業リフレクションを行いました。須山先生は、自身の授業の印象を「リハーサルがゴールになったな」と語りました。リハーサルのつもりが、子どもたちは練習を重ね、完成度が高く、修正することが少なかったことから出た印象とのことでした。その後、一人ひとりの子どもやグループで活動の様子を確かめていったことで、須山先生は、「子どもたちは今すぐにでも発表したいのかな」と感じたそうです。今後に向けては、自分たちの提案するツアーの魅力をどのように伝えるかを意識させつつ本番の発表へと向かい、後日経過を報告することになりました。

 その後は、山﨑研究員の経過報告と今後の予定の確認、海保研究員の経過報告と2学期の総括を行いました。

 


第10回 部会

 日 時:2018年1月22日(月)

 場 所:六会中学校 

 内 容:研究員、研究員OB、部会担当者による授業参観と集団による授業リフレクション

 授業者:山﨑 智 研究員(中学2年 理科 単元名「動物の生活と生物の進化」呼吸と血液の循環・心臓と循環)

 研究員2年目の山﨑研究員は、「生徒が自分の考えを論理的に筋の通るようにまとめることで、生物分野が暗記する単元ではないことに気づいてほしい」というねがいをもって、この単元に取り組んできました。

 本時は、「心臓の構造と血液の流れ」の学習です。脈について興味をもってもらうために、導入では、生徒に自分の脈を測ってもらいました。最初は「どうやってはかるの?」「脈がない」などの声も聞かれましたが、もう一度測り直してもらうと、どの生徒も測れたようでした。また、タブレットのアプリを使って、顔で脈が測れることを紹介し、先生が実演してみせると、緊張のためか標準の倍の値が出てしまったことに、生徒も先生もほぐれたところで、「なぜ脈を測ることができるのか」について考えていきました。

 研究員、研究員OB、部会担当者による授業参観の後、集団による授業リフレクションを行いました。山﨑研究員は自身の授業の印象を「ボチボチ」と語りました。うまくいったところと、うまくいかなかったところがあったことがこの印象につながったとのことです。その後、ていねいに授業の中で起きていたことを確かめていくと、発問の幅が広すぎて生徒が考えにくかったことや、授業の後半、プリントを使った説明中心の展開になってしまい、生徒に考えさせたいという授業者の思いとは裏腹な授業になっていたことが明らかとなりました。次時は、生徒にもっと考えてもらえるように展開を工夫し、後日経過を報告することになりました。

 なお、この日は大雪のため、予定していたその他の検討事項(須山研究員の経過報告と指導案検討、藤本研究員の2学期総括、3月の研究報告会など)は、後日あらためて行うことになりました。

 


第9回 部会

 日 時:2017年12月25日(月)

 場 所:教育文化センター

 内 容:山﨑研究員の経過報告と指導案検討

     好川研究員の経過報告と実践総括

     今年度の紀要について

     野村研究員の経過報告と今後に向けて

     須山研究員の経過報告と指導案検討

 


第8回 部会

 日 時:2017年11月13日(月)

 場 所:教育文化センター

 内 容:山﨑研究員、藤本研究員の経過報告と今後に向けて

 


第7回 部会

 日 時:2017年10月20日(金) 

 場 所:教育文化センター

 内 容:好川研究員のセミナー指導案検討

     県教連研究発表大会の報告

 


第6回 部会

 日 時:2017年9月19日(火)

 場 所:教育文化センター

 内 容:藤本研究員のセミナー指導案検討

     好川先生の経過報告

     県教連に向けての準備。

 


第5回 部会

 日 時:2017年9月5日(火)

 場 所:教育文化センター

 内 容:海保研究員、藤本研究員、好川研究員のセミナー指導案検討

     須山研究員の教材研究報告

     山﨑研究員の指導案検討報告

 


教育実践臨床研究部会 夏期集中研究会

 日 時:2017年7月27日、31日、8月1日、2日、3日、4日

 場 所:教育文化センター

 内 容:読書会、各研究員の1学期の総括

     2学期に向けての教材研究・指導案検討

     夏の研修講座(講演・ワークショップ)への参加・振り返り

 


第4回 部会

 日 時:2017年7月11日(火)

 場 所:教育文化センター

 内 容:海保研究員、藤本研究員、好川研究員の経過報告と今後の取り組みに向けて

 


第3回 部会

 日 時:2017年6月19日(月)

 場 所:教育文化センター

 内 容:海保研究員、藤本研究員、好川研究員の経過報告と今後の取り組みに向けて

     夏期集中研究会の読書会に向けて、ワークシートの宿題

 


第2回 部会

日 時:2017年5月23日(火)

場 所:教育文化センター

内 容:海保研究員の所信表明、藤本研究員、須山研究員の経過報告と今後の取り組みに向けて

    1年目の野村研究員は、5月15日に行ったカード構造化法による授業リフレクションの報告

 


平成29年度 教育実践臨床研修講座 授業研究セミナー

授業研究セミナー「できた?できた??ん~~どうして??あっ!できた!!」

日 時:11月13日(月)

内 容:中学校2年数学:一次関数

授業者:好川 大貴 研究員

講 師:慶應義塾大学教授 鹿毛 雅治 先生

 好川研究員は、研究員2年目だった昨年度から、「問題に取り組み、答えが出せたときの達成感を味わってほしい」というねがいのもとに、数学の授業を積み重ねてきました。その甲斐あって、今年度、2年生になった子どもたちは、粘り強く問題と向き合い、「できた!」という姿を数多く見せてくれるようになりました。しかし、その一方で、授業中に扱った問題ができたとしても、それが別の場面ではできなくなってしまうことが新たな課題となってきました。
そこで、研究員3年目の今年度は、さらなるステップアップを目指して、どうしてそうなるのかを考えなければできない問題にも取り組ませ、「考える」ということにも力点をおいて授業実践研究を行っています。

 本時は、「一次関数の活用」として、4つある携帯電話の一ヶ月の料金プランの中から、店員になったつもりで、どのようなお客さんにどのプランを勧めたらよいかを考えるというものでした。

Aプラン・・・基本料金3000円 通話料金1分40円
Bプラン・・・基本料金3600円 通話料金1分20円
Cプラン・・・基本料金4200円 通話料金1分40円(ただし50分まで無料)
Dプラン・・・基本料金4600円 通話料金1分10円

 A~Dまで式に表して、計算して考えようとする子どもが多い中、表を作り始める子、グラフに表したほうがわかりやすいという子など、思い思いのやり方で、あーでもない、こーでもないと、頭を悩ましている姿が見られました。数学の得意な子も苦手な子も、すごい集中です。その後の各支店(グループ)での話し合いでは、同じ通話時間で同じ料金になった場合にどのプランを勧めたら良いかや、互いのお勧めのプランの違いや重なりに一喜一憂する姿も見られました。授業の最後に行った各支店から報告では、それぞれの店員によってお勧めのプランが異なったり、Bプランについては「お勧めできるお客さんが特にない」という意見もあったりして、次時でもう一度確かめてみることになりました。 

 集団による授業リフレクションの場で、最初に好川研究員より語られた授業の印象は「今までの学びがいかされている場面があって嬉しかった」というものでした。その後、参加者と共に授業中の子どもたちの具体的な姿を丁寧に出し合っていくことで、個々の学びの様子やなかなか取り組めない子どもへの細やかな対応も浮き彫りとなり、授業者が授業中に得た手応えをより確かなものにすることができました。また、本時が2日間の職業体験の直後に行われたセミナーであったことから、問題の設定への入りやすさや、身近な題材を課題にすることで、日常生活に数学がいかされていることに触れる機会となったことなど、授業のしかけについても話題にすることができました。 

 

  


平成29年度 教育実践臨床研修講座 授業研究セミナー

授業研究セミナー「みんなで考える算数の面白さへ」

 日 時:2017年10月20日(金)

 内 容:小学校1年算数:たしざん

 授業者:藤本 一郎 研究員

 講 師:慶應義塾大学教授 鹿毛 雅治 先生

 

 

研究員3年目の藤本研究員は、「子どもたちが答えをどうやって考えたのかを出し合い、友だちの考え方や目の付け所を知り、みんなで考える算数の面白さへつなげていきたい」とねがって、算数の授業に取り組んできました。
この日のセミナーは、7+8の計算の仕方を考えるというものでしたが、一人一枚配られたホワイトボードに、「わけてもってくる(サクランボ)」「図」「ブロック」など、これまでに学習したやり方を用いて、自分なりの考えを積極的に表す子どもたちの姿がありました。ホワイトボードの使い方も堂に入っており、7のほうを5と2に分けたり、8のほうを3と5に分けてたりして計算の仕方を表していましたが、子どもたちの間に「10のまとまりをつくる」ということがかなり定着してきていることがよくわかりました。また、「どっちのほうが(どちらを分けたほうが)やりやすいか?」という議論には、「数が同じくらいなら、どっちでもいいんじゃない!?」という意見もあり、これには「せいかい!」などと納得している子どもの姿もありました。

 

 このような子どもたちの姿に触れ、藤本研究員が集団による授業リフレクションの場で最初に語った授業の印象は、「やりたいことはできた」でした。その後、参加者からは授業の中での子どもたちの具体的な姿が次々と出されたことで、問題に取り組む積極的な姿勢や、前時までに学習したことをしっかりと覚えていて、それを活かそうと頑張っている姿、ほかの子の考えに真剣に耳を傾ける様子など、授業の中で起きていたことを丁寧に確かめることができました。また、まだよくわかっていない子どもたちが何人かいることも確かめられ、藤本研究員もその子たちへのかかわりを今後の課題として意識することができたようでした。

 


平成29年度 教育実践臨床研修講座 授業研究セミナー

授業研究セミナー「知りたいスイッチON」

 日 時:2017年9月19日(火)

 内 容:小学校6年理科:水溶液の性質

 授業者:海保 雄 研究員

 講 師:慶應義塾大学教授 鹿毛 雅治 先生 

 

 今年度、研究員3年目として授業実践研究に取り組んでいる海保研究員は、理科の授業を通して、子どもたちに「ただ楽しいから実験をやりたい」のではなく、「もっと知りたいから、もっとわかりたいから実験をしたい」という思いを強く持ってほしいと考えています。また、子どもたちには、自分がこれまでに得た知識も「実際のところわからない」というように、すぐに信用するのではなく、本当に正しいかどうかは自分で考え、自分で答えを出せる人になってほしいとねがって授業を行ってきました。

    

  この日公開した授業は、酸性と中性、アルカリ性について学習した子どもたちが、身近にあるものが本当に酸性なのかアルカリ性なのか、それとも中性なのかを紫キャベツ水溶液を用いて調べるというものです。自分たちが興味をもったものを次から次へと調べていく中で、予想通りの結果に喜んだり、予想と違う結果に驚いたり、新たな疑問を持ったりする大勢の子どもたちの姿を見ることができました。

 

 集団による授業リフレクションの場では、冒頭、海保研究員より「あと1時間ほしかったな」と授業の印象が語られました。どの子も夢中で実験に取り組んでいたことから、結果を発表し、気づいたことや疑問に思ったことを全体で交流する時間を十分にとることができなかったからなのだそうです。また、実験中に子どもたちが良い発言をしていたのに、それを他の子に返せなかったのも少し心残りのようでした。その後、参加者と共に授業中の子どもたちの姿を丁寧に出し合ってくことで、たとえば「中性なの?」「色が変わらないからといって中性とは限らないよ」「リトマス紙でもやってみよう!」というように、どの子も知りたいスイッチがONになっていたことを再確認することができました。さらに、子どもたちの興味の広がりを今後どのように扱っていくのかについても話し合うことができました。

 


第1回 部会

 日 時:2017年4月20日(木)

 場 所:教育文化センター

 新しい研究員1名が加わり、平成29年度の研究部会がスタートしました。好川研究員による新研究員のためのオリエンテーションが行われ、さらに今年度授業研究を行う好川研究員(中2/数学科)、藤本研究員(小1/算数科)、海保研究員(小6/教科未定)、須山研究員(小4/社会科)、山﨑研究員(中2/理科)から、「この1年間、どんなねがいをもって取り組んでいきたいか」所信表明が行われました。

 

  

 

 新たな研究員を迎え、今年度も「見えることからの授業の再構築」を研究テーマに、次のことを重視して研究に取り組んでいきたいと考えています。

 ①教育実践臨床研究の持続と発展のための、研究員による授業実践研究の地道な積み重ね

 ②教員の世代交代を視野に入れた「学ぶこと・教えること」の本質のたゆまぬ探究

 ③教育実践臨床研究のさらなる普及拡大