日本の味!  み そ 汁

 味噌は、奈良時代以前から穀物を原料に塩を加えた発酵食品としてつ造られていました。味噌は中国から伝来したという説もありますが、縄文時代から塩漬けの食品があり、弥生時代には味噌づくりの跡もあるため日本独自のものと考えられています。みそ汁は、田舎の農家では昔から家でつくっていましたが、庶民の食卓に広まったのは室町時代と言われています。戦国時代には、簡単で大量につくれることから陣中食として普及しました。味噌は大豆、米麹(こうじ)、食塩を材料にして1~3年かけて作ります。大豆のタンパク質を麹菌(こうじきん)の出した酵素が分解してうま味のあるアミノ酸が作られます。現在では調味料としての役割が多いですが、食生活が豊かになるまでは貴重なタンパク源と塩分補給の役割も担っていました。戦後間もないころまで、味噌は各家庭でつくられていました。そこから自慢することを「手前みそ」と言います。味噌は保存食の役割も持ち、野菜、魚、肉などをつけ込むと日持ちするだけでなく、味噌のうまみがしみ込んでおいしい食材ができあがります。みそ汁は豆腐、ワカメ、ネギ、シジミ、アサリ、油揚げ、キャベツ、タマネギ、ナメタケ、エノキダケなどたくさんの食材と相性がよく、その組み合わせでいろいろな味を楽しむことができます。