平成29年度 社会科研究部会 活動報告
平成29年度 社会科研究部会
第11回部会
日時:2018年2月13日(火)
場所:大清水中学校
内容:吉原 壮英 研究員による授業研究セミナーおよび研究協議
セミナータイトル「なぜ一遍は!?」
導入で時宗について説明をしたあとこぶくろ坂の資料を提示。「ではこの絵を見て一遍はどこにいるか分かるかな。」 |
生徒一人ひとりにも同じ資料を配付。資料からの推測、史実からの意見など多くの意見が出るよう、話題を降りながら確認します。生徒たちは「どんな状況の場面なんだろう」「これは武士だよね」 | 一遍の布教は幕府に受け入れられたでしょうか?との問いに対し、自分の意見をネームプレートで表します。そして意見を出し合います。 |
2枚目の資料「片瀬浜地蔵堂における踊り念仏」の絵をよく見て、一遍の思いに考えをめぐらせます。 | 授業のあとは参観者を交えての協議。研究テーマに沿った授業だったか。生徒たちの様子や教材研究について話し合いを行いました。 |
[研究協議での主な話題]
・ひとつの資料をじっくりと読み込ませることは参考になった。
・資料がわかりやすくて良かった。資料の中で、さらに問いをもつことができる。
・ネームカードがあることで、多くの子どもたちに発言させやすい。
先生の様々な工夫により、一人ひとりの生徒がそれぞれ気づいたことをつぶやいていました。それらを受け止めながら「これ」という内容をみんなで深めていくことによって、「子どもが問いを持つ」授業になっていくのかもしれません。
その「これ」を見抜く目や耳は、やはり教材研究によって精度を高めていくのだとも学びました。
第10回部会
日時:2018年1月30日(火)
場所:本町小学校
内容:宮﨑 圭介 研究員による授業研究セミナーおよび研究協議
セミナータイトル「君はこの防災倉庫で安心できる?」
本町小学校の防災倉庫に備蓄されている水や毛布や懐中電灯。前時に実際に倉庫の中を見て「足りると思うかな?安心して避難生活はできそうかな?」宮﨑研究員の問いかけに子どもたちは真剣に考えています。 | 前時で実際に食べてみた避難食のクッキー。味はどうだったかな?どう感じたかな?「けっこうおいしい。」「だけどお年寄りや赤ちゃんは食べられないんじゃない?」「これだけでは栄養が偏るよなぁ。」子どもたちのつぶやきが聞こえます。 |
防災倉庫の中に保管されている品目のリストが教室に大きく掲示されています。子どもたちは時折そのリストを見て、確認しながら考えています。 |
全体での話し合いで授業は進みます。「安心できる」「安心できない」それぞれの理由を黒板に書き出し、話し合いによって思いを深めていきます。 | 授業の後は協議会です。研究テーマに沿った授業展開になっていたかどうか、参観者の様々な視点から意見を出し合い、丁寧に振り返ります。 |
[研究協議会での主な話題]
・子ども同士から自然に生まれた小さな「問い」を教師が拾いたかった。そうすれば、その「問い」は全体に返り、より深まっていくことにつながる。
・手を挙げないでつぶやいた一言こそ、その子の思いが表れているといえる。大切に扱いたい。
・力のある教材の選択、そしてその研究がよくできており、子どもたちがより自分に関わることとして考えることができていた。
具体的な意見が多数あがり、研究協議会もたいへん有意義な時間になりました。
第9回部会
日時:2017年12月21日(木)
場所:教育文化センター 研究室D
内容:研究テーマについて・指導案検討
「”知りたい””調べたい”と自ら進んで学ぼうとする子どもの姿が見たい!」
「子どもが自ら問いをもつ」姿について、研究員同士あらためて話し合いました。また、そのような姿を見るためには教師がどのような授業をすれば良いのか、仮テーマに盛り込んだ「子どもが自ら」「問いを持つ」「深く」「追究する」などの言葉一つひとつについて、研究員がねがう具体的な授業のイメージと重ね合わせながら、項目を絞り込んでいきました。
そうして、研究テーマは「子どもが問いを持つ社会科の授業づくり」に決まりました。
続いては、宮﨑研究員(小学校5年:自然災害とともに生きる)と、吉原研究員(中学校1年:武家政治の成立)の指導案検討に入りました。より効果的な授業展開や、教材の活用方法について話し合いが続きました。年あけの1月と2月には、授業研究セミナーを予定してします。
第8回部会
日時:2017年11月8日(水)15時30分から
場所:教育文化センター 教育メディア資料室
内容:セミナーふり返り・指導案検討・研究テーマについて
本日の社会科研究部会は、さまざまな角度から社会科の授業についての研究を深めました。
まずは、先日開催された授業研究セミナーのふり返りから、その後の授業での児童の様子の報告を聞き、今後の社会科授業においての課題を確認しました。そして、研究テーマについて、研究員それぞれの思いを改めて話し合いました。
続いては、宮﨑研究員と吉原研究員の指導案検討です。「授業の中で”子どもが問いを持つ”姿を具体的にイメージすること。また、その姿に結びつくような授業の展開を。なにより教師自身がまず問いを持てる教材を」と重松先生から助言をいただきました。子どもにとって「生きた、力のある教材」を探しあてるのは簡単ではありませんが、さらに教材研究を深め、テーマに迫る授業づくりを目指したいと思います。
今年度はあと2本、小学校5年生と中学校1年生の社会科の授業研究セミナーを予定しています。
第7回部会[授業研究セミナーⅠ]
日時:2017年10月27日(金)13時35分から
場所:亀井野小学校
内容:宮田 昌明 研究員による授業研究セミナーおよび研究協議会
セミナータイトル:学校で行われた戦争の訓練?
小学6年:戦争と人々の暮らし 昭和17年当時の写真資料を見てそれぞれ感じたことを共有 |
5人グループ活動の様子。 当時の子どもたちは、学校で行う戦争の訓練についてどのような思いで参加していたと思う?カードに書いてみよう |
グループごとに多かった意見を 代表の子どもたちが黒板に書いています。 |
どうしてこの意見がでたのか、理由を聞き確認していきます。 | いろいろんな意見を聞き、もう一度考えを深めて、自分の意見をノートにまとめています。 |
授業後は、参観者と授業者をまじえての研究協議会を開催。 授業とテーマについて意見交換 |
社会科研究部会授業研究セミナーの第一弾は、小学6年生の授業【戦争と人々の暮らし】から。当時の小学校で実際に行われていた戦争の訓練の参考資料を用いた授業を行いました。
主発問である「当時の子どもたちは学校で行う戦争の訓練をどのように思っていたのでしょうか」と問うことによって、児童に今の自分の感覚を大切にしながら、当時の子どもの思いを考えさせました。
「私だったら『おかしい』『変』なことなのに、どうしてみんなやっているのかな」「そういう考えもあるのか」
こうしてはじめに持った考えが、話し合いや友だちの色々な意見を聞くことによって考えがより深まっていく授業でした。
研究協議の場でも、参加者が見取った様々な子どもの学びの様子が報告され、教室内での全体的な学びの様子を共有できました。その上で、考えを深める手立てについて、子どもの考えを次の時間にどうつなげていくのかなど、議論を深めました。
講師の重松先生からは
①子どもが自ら問いを持ったか
②子どもにどんな一歩を踏み出してほしかったか。そのためにした指導とその有効性はどうだったか
②子どもたちは、この授業で視点の転換をしたか、あるいは多面的な視点を持てたか
このような指摘をいただきました。次回以降の部会でも取り上げ、議論を深めるとともに、次回の授業研究セミナーに行かしていきたいと思います。
第6回部会
日時:2017年9月21日(木)15時30分から
場所:教育文化センター 研究室A
内容:授業研究セミナーに向けて指導案検討
8月部会に引き続き、10月27日(金)に亀井野小学校 宮田 昌明研究員 が行う予定の授業研究セミナーの指導案検討を行いました。セミナーでは、小学校6年生の社会科「戦争と人々の暮らし」の単元で、当時の小学校で実際に行われていた戦争に向けての訓練に焦点をあてます。同世代の子どもたちが戦争中にどのようなことを思っていたのか、じっくりと考えを深めてほしいというねがいから、効果的な資料の選び方や、子どもたちへの提示など話し合いを進めました。子ども一人ひとりの顔や授業での振る舞いを具体的にイメージし、そこから授業を組み立てていくという社会科の授業づくりの方法についても講師の重松先生から学びました。
また、次にセミナーの授業を実施する吉原研究員と宮﨑研究員の指導案検討も併せて行いました。
第5回部会
日時:2017年8月18日(金)9時から
場所:教育文化センター 研究室D
内容:指導案検討
午前中には授業セミナーに向けた3本の指導案検討を行いました。授業で提示する「資料」について、子どもが不思議に思ったりや疑問を持ったりする“力のある「資料」”かどうかが話し合いの中心となりました。「資料」はさまざまな情報を持っているので、授業者がねらうポイントに子どもが着目するかどうか吟味が必要です。
午後からは講師の重松先生に参加しました。
【研修講座「子どもと教師が育む教材 ~子どもの追究が単元展開の原動力となるために~」】
「資料」について、そして社会科においてなぜ「資料」が大切なのかについて、一日かけてじっくりと考えました。
第4回部会
日時:2017年7月27日(木)14時から
場所:教育文化センター 研究室D
内容:指導案検討・新学習指導要領勉強会
夏休みにはいったこの日は、通常よりもすこし早い時間から集まって時間をかけて研究を行いました。
今年度、秋に控えている授業研究セミナーの指導案検討と、新学習指導要領についての勉強会を重松先生から
レクチャーを受けました。
まずは10月27日に開催予定の亀井野小学校6年生担任の宮田研究員の指導案検討(戦争と人々の暮らし)。
次には12月開催予定の大清水中学校1年吉原研究員の指導案検討(歴史分野:大宝律令と平城京)を続けて見合いました。
第3回部会
日時:2017年6月22日(木)
場所:教育文化センター 研究室D
内容:授業セミナーについて・指導案検討
宮田研究員の指導案検討が始まりました。秋に開催予定のセミナーに向けて。 | センター内に所蔵されている貴重な昭和初期の教科書です。 | 部会が終わってからも重松先生からのアドバイスに熱心に耳を傾けています。 |
社会科部会は、今年度は3本の授業研究セミナーの開催に向けての準備が始まりました。
一人目として宮田研究員の指導案検討を行いました。単元として予定しているのは、小学校6年『戦争と人々の暮らし』です。藤沢市教育文化センターには、昭和初期の教科書が貴重な資料として保管されています。その教科書を今のものと見比べる活動によって、現代の子どもが、自らの生活体験を当時の子どもたちの姿とつなぐことができるかどうか検討しました。子どもたちにどのような思いを持たせたいのか…教材理解を深める大切さを改めて感じる機会になりました。
第2回部会
日時:2017年5月16日(火)
場所:教育文化センター 研究室D
内容:研究テーマ設定に向けて
今回の研究では、まず、過去の授業セミナーの動画記録を視聴し、意見交換を行いました。
【小学校5年 住みよいくらしと環境 授業者:西田 将之】〔平成21年度〕
「子どもは授業の中でどのような姿を見せているのか」
「子どもがどんなことを学んでいるのか」
「学習問題は子どもにとって身近なのか」
子どもが学習問題を「自分ごと」ととらえ、考えを深めるような授業を実現するには?
社会科を通して何を育てたいのか?
話し合いを深めることで、目指す授業のイメージが見えてきました。
そこで、仮テーマとして
子どもが自ら問いを持ち、深く追及する社会科の授業づくり と設定しました。
第1回部会
日時:2017年4月20日(木)
場所:教育文化センター 資料調査室
社会科研究部会は、今年度で研究2年目に入りました。
今日は研究員辞令交付式のあとに第一回部会を開催しました。
次回の5月部会から、講師の重松 克也 先生とともに本格的に
研究をすすめていきます。授業セミナーも開催予定です。
メンバーは、昨年度と変わらず、力を合わせて研究を深めていきます。
どうぞよろしくお願いします。