令和6年度 社会科研究部会 活動報告
第12回 研究部会
日 時:2025年3月7日(金)午後3時30分から午後5時
場 所:教育文化センター 小会議室
内 容:今年度の研究のまとめ
研究テーマ:子どもが 質のよい問いを追究する 社会科の授業づくり
前回に引き続き、質のよい問いの定義について話し合いました。社会科研究部会で考える質のよい問いは、4つの条件「子どもが本気になる」「連続性がある」「社会的な見方・考え方を働かせる」「社会的認識を深める」のうち「社会的な見方・考え方を働かせる」「社会的認識を深める」を必ず満たさなければいけないことを皆で確認しました。「問いを設定する際に、地域性や歴史的背景、政治・経済的な面など、様々な立場や側面から子どもが考えることができる問いを立てることが大切。質のよい問いであれば、子どもは解決のために自然と社会的な見方・考え方を働かせる。」と講師の大村先生から話がありました。
第11回 研究部会
日 時:2025年2月20日(木)午後3時30分から午後5時
場 所:教育文化センター
内容:今年度の研究の振り返り
研究テーマ:子どもが 質のよい問いを追究する 社会科の授業づくり
今年度は研究テーマを基に模索しつつ、授業研究セミナーを3回行いました。「質のよい問いがつくれるか真剣に考え勉強になった。」「研究協議会では視点を絞り、協議の仕方も検討したい。」「社会科研究部会の研究を広めることも重要。」などの感想が出ました。その後、「質のよい問い」の定義について、全員で共通認識をもてるよう再度確認・検討しました。今までの実践を基に条件を満たしていたかを考慮し、次回の部会で引き続き確認・検討することにしました。
第10回 研究部会
日 時:2025年1月21日(火)午後2時25分から午後5時
場 所:藤沢市立鵠洋小学校
内 容:授業研究セミナーⅢ
研究テーマ:子どもが 質のよい問いを追究する 社会科の授業づくり
単元:第6章 わたしたちの県のまちづくり『箱根寄木細工~職人の努力とこだわり~』(小学校4年)
「箱根寄木細工はいつ頃、誰が、どうして箱根で作られ始めたのか。」壁に貼られている模造紙に書かれた既習事項を読みながら、前回の授業を振り返りました。「箱根寄木細工で使う木は、どこで採れた木なのか?」という教師の問いかけに、「箱根の木じゃなきゃ箱根寄木細工じゃない!」という児童の声も聞こえる中、箱根寄木細工に使われている木の産地を示すグラフの資料が提示されました。予想外な結果に児童たちは、なぜ職人さんは、箱根の木を使わずに他の地域の木や外国の木を使うのか疑問をもちました。
研究協議会では、「ほとんどの子が99%を箱根と予想していたが、逆を予想した子はいたのか聞いてみると良かった。」「一人でも逆の子がいたら、どうしてそう思ったのか聞ける。また全員が間違っていたら既習事項との矛盾について突っ込めるので、聞いた方が考えが広がりやすかったと思う。」などの意見がありました。講師の大村先生からは「問いを生み出す見事な仕掛け。児童に『えっ?』や『なぜ?』が生まれるようによく計画されている。その前提にある教材研究の素晴らしさがうかがわれる。教師が提示する資料をもとに意欲的に学ぶ子どもの姿があった。」とお話がありました。
第9回 研究部会
日 時:2024年12月17日(火)午後3時30分から
場 所:教育文化センター 小会議室
内 容:授業研究セミナーⅢに向けて
研究テーマ:子どもが 質のよい問いを追究する 社会科の授業づくり
単元:第6章 わたしたちの県のまちづくり(小学校4年)「箱根寄木細工~職人の努力とこだわり~」
丸山研究員は、「誰がどうやって作っているのだろう?」(1時間目)、「いつから、どうして箱根で多く作られるようになったのだろう?」(2時間目)、「使う木は、どこで採れたものなのだろう?」(3時間目 研究授業)、「職人さんたちは寄せ木細工のよさを知ってもらうためにどんな取組をしているのだろう?」(4時間目)と問いをつなげた単元構成を立てました。3時間目(研究授業)では、「箱根町は自然豊かで木がとれやすい」という既習事項に対して「現在は他県・外国産の木が沢山使われている」という現状を知り、「なぜ職人さんたちは、自然環境豊かな箱根で採れる木を使わずに外国の木を使うのか?」という問いが生まれ、児童は学習を深めていけると考えています。
第8回 研究部会
日 時:2024年11月26日(火)午後2時30分から午後5時
場 所:藤沢市立滝の沢小学校
内 容:授業研究セミナーⅡ
研究テーマ:子どもが 質のよい問いを追究する 社会科の授業づくり
単元:第3章 自然災害にそなえるまちづくり 『地震にそなえるまちづくり』(小学校4年)
児童は、総合防災センターの見学で分かったことや地震に対する自宅や学校での備えについて学習したことを振り返り、「わたしたちの地域では、どのような自然災害が起こりそうかな?」「そのためには家庭や学校ではどのような備えをしているのかな?」を考えました。「これだけあれば十分生活できるよ。」「こういうものが必要なんじゃない?」児童は写真から必要なものを探していました。研究協議会では、「教師の質問に対して、児童は学習したことを思い出しながらよく答えていた。」「児童の体が自然と前のめりになっている様子に、一生懸命さがうかがわれた。」などの意見・感想がありました。講師の大村先生から、「備えが十分足りている、いや足りてないという相反する意見が出てきたのがおもしろかった。児童にとって主体的な学びとなるよう、児童の今の意識、発言を生かすことは大切。」とお話がありました。
第7回 研究部会
日 時:2024年10月29日(火)午後3時30分から午後5時
場 所:教育文化センター 小会議室
内 容:授業研究セミナーⅡに向けて
研究テーマ:子どもが 質のよい問いを追究する 社会科の授業づくり
単元:第3章 自然災害にそなえるまちづくり 『地震にそなえるまちづくり』(小学校4年)
児童が、防災センターの見学や地震に対する家庭や学校での備えについて分かったことを振り返り、家庭や学校だけの備えがあれば十分なのか、地域ではどのような備えがされているのかを調べる必要性を感じ、「滝の沢地区や藤沢市では、地震や津波に備えて、だれがどのような取組をしているのだろう。」という問いが生まれるように、服部研究員は授業案をつくりました。子どもが地震の被害の大きさに気づき、家庭や学校の備えだけで大丈夫なのだろうかと思えるように、教師はどんな資料を用意したらよいか皆で話し合いました。
第6回 研究部会
日 時:2024年9月24日(火)午後2時から午後4時30分
場 所:藤沢市立大庭中学校
内 容:授業研究セミナーⅠ(田畑研究員研究授業・研究協議)
研究テーマ:子どもが 質のよい問いを追究する 社会科の授業づくり
単元:公民的分野 第1章 現代社会と私たち 『少子高齢化』(中学校3年)
生徒が、現代社会の課題を自分事として捉え、将来生きていく世の中をよりよくしていきたいと思えるように、田畑研究員は授業を展開しました。授業最初に提示されたソフトバンク(株)の出産祝い金の資料を見て、生徒は「なぜ、これだけの出資金を出すのか?」と思い、次に提示された資料から、2100年の人口ピラミッドの形はどのようになっているか予想し作図する作業を行いました。そして、ロイロノートを使って自分の予想を発表し、そこから少子高齢化が進むとどうなるのか、どんなことが問題なのか予想していきました。更に、挙げられた問題点の中で重要な問題点は何か、そう考えた理由について意見交換をしました。
研究協議会では、「導入で本時の内容に関心を高めようとする手だてが盛り込まれ、生徒は、皆よく考え、前向きによく対話していた。」「生徒の既習知識からも多くの考えが出てきて良かった。」「ICTが教師の教具としてだけでなく、生徒の文具としても位置づき便利に活用されていた。」など意見がありました。
第5回 研究部会
日 時:2024年8月22日(木)午後1時30分から午後3時30分
場 所:教育文化センター 教育メディア資料室
内 容:授業研究セミナーⅠに向けて
研究テーマ:子どもが 質のよい問いを追究する 社会科の授業づくり
単元:公民的分野 第1章 現代社会と私たち 『少子高齢化』(中学校3年)
「質のよい問い」「セミナーのねらい」「参観者に見て欲しいポイント」について確認をした後、指導案の検討を問いの設定や問いのつながりを意識しながら行いました。研究授業では、生徒が「少子高齢化という課題を放置したら、どんな世界・日本になってしまうのだろう?」という問いをもち、「こんな世界、日本になるだろう」と結論を出していく授業を田畑研究員は考えています。「年金の問題(社会保障が崩れる)」「労働力不足」「町村が崩れる」など生徒の立場に立って結論として出てきそうな事柄を予想し、質のよい問いが出るように資料についても検討しました。
第4回 研究部会
日 時:2024年7月26日(金)午前10時から正午
場 所:教育文化センター 小会議室
内 容:授業研究セミナーに向けて
授業研究セミナーⅠ・Ⅱ・Ⅲ指導案検討
研究テーマ:子どもが 質のよい問いを追究する 社会科の授業づくり
どんな問いをたて授業を組み立てるかを図に表した「問いだけを繋げた展開計画の図」をもとに、授業案の検討を行いました。講師の大村先生から、「子どもの意識としてどういう問いをもつか考えていくだけでなく、こう思った子が次どう考えるのだろうと子どもの意識がつながるように考えることが大切。」と、問いについてのアドバイスをいただきました。問いの設定、問いのつくり・つながりについて、今後研究を進めていくうえで意識していきたいと思います。
第3回 研究部会
日 時:2024年6月7日(金)午後3時30分から
場 所:教育文化センター 研究室D
内 容:研究の方針
年間計画
研究テーマ:子どもが 質のよい問いを追究する 社会科の授業づくり
講師の大村先生から、「質のよい問い」「授業づくり」についてお話しを聞きました。子どもがつくる学習問題を想定するという視点で見ると、「子どもが本気になる問題か」「連続性があるか」「見方・考え方を働かせざるをえない問題か」「社会認識を深める問題か」等揃っている事は好ましいが、まずは子どもが「確かに追究したい!」と思うかどうかが重要とのことでした。また、授業づくりのポイントは前回の研究部会で話題に上がった「生活に身近な教材・資料の開発」と問いのストーリーづくりということから、次回の研究部会には、問いだけを繋げた展開計画の図を持ちより研究していこうということになりました。
第2回 研究部会
日 時:2024年5月17日(金)午後3時30分から
場 所:教育文化センター 研究室D
内 容:今年度の研究の進め方について
研究テーマ 子どもが 質のよい問いを追究する 社会科の授業づくり
「『質のよい問い』とはどんな問いか」「『質のよい問い』を追究するためのアプローチの仕方」について話し合いました。『質のよい問い』は「単元を通して考えることができる問い」「社会科のねらい(単元の目標)が達成できる問い」「子どもが追究したくなる(自分ごととして、興味関心をもつ)問い」「社会的な関心を高める問い」「社会的事象や人の営みの意義に迫る問い」などが昨年度の研究から挙げられました。そして、『質のよい問い』にアプローチするには、子どもの心を揺さぶる、生活に身近な教材・資料の開発と提示するタイミングを知ることが大切だという結論になりました。今年度は3回の授業研究セミナーを予定しています。
第1回 研究部会
日 時:2024年4月19日(金)午後3時45分から
場 所:教育文化センター 研究室D
内 容:今年度の研究の進め方について
研究2年目に入りました。昨年度は「どうしたら、子どもが本気で考える問いが生まれて解決していくか」を研究のポイントに研究を進めてきました。それを踏まえて『子どもが 質のよい問いを追究する 社会科の授業づくり』と研究テーマを設定しました。『質のよい問い』について、アプローチについて、研究を深めていきます。授業研究セミナーを通して発信していきたいと思います。