平成30年度 教育課題調査研究部会 活動報告
第10回部会
日時:2019年2月18日(月)午後3時30分から
場所:教育文化センター 研究室B
内容:第11回(2015年)「学習意識調査」報告書の読み取り⑤
○「4 勉強の意欲」について
「もっと、たくさん勉強したいと思いますか?」という問いに対し、約4割の生徒が「今くらいの勉強がちょうどよい」 約3割の生徒が「もっと勉強したい」 約3割弱の生徒が「勉強はもうしたくない」と答え、「もっと勉強したい」と「勉強はもうしたくない」が前回に比べ微増したことについて再考察しました。
「もっと勉強したい」と回答した理由として「進学や受験のためになるから」が半数以上を占めましたが、次に多かった「今の勉強では足りないから」や「自分の将来の夢や生活のためになる」も自分の進学・進路や将来につながることであり、自分の将来を見すえて努力しようとしている姿が読み取れました。
「勉強はもうしたくない」の理由では、「勉強以外の事もやりたいから」「勉強がわからないから」に大きく差を付けて「勉強がきらいだから」が半数を占めました。“進学や受験も影響しているのではないか” “生徒の思いをもっと聞くところから意欲への道が開けてくるのではないか” と「きらい」の内実について話し合いました。
講師の山﨑先生からは、「社会情勢や受験制度の変化が子どもの意識にどう影響しているか、因果関係を意識して読み取っていくのがよい。」とアドバイスをいただきました。数値やグラフだけで見るのではなく、子どもを取り巻く環境や社会情勢の変化を考慮して読み解くことの大切さを皆で共有しました。
第9回部会
日時:2019年1月28日(月)午後3時30分から
場所:教育文化センター 研究室B
内容:第11回(2015年)「学習意識調査」報告書の読み取り④
○「2 学校の勉強の理解度」について
今回の調査では、3/4の生徒が「学校での勉強がわかる」と答え、前回と比べ微増し、男女別にみると男女の差は広がるという結果が出ました。「学校の勉強の理解度を知識のみで判断していないか」「わかるという言葉の認識のズレはないか」ということも視野に入れて、再度考察しました。
・調査を始めた頃と比べ、子どもを取り巻く環境や「分かる」という認識、言葉のニュアンスが少しずつ変化してきている
・男女の性格に基づき、考え方・感じ方には違いがある
これらのことも、調査結果に関係しているのではないかと考えました。
○「3 学校の勉強についていく自信」について
「学校の勉強の理解度」は上がってきている一方で、それが「学校の勉強についていく自信」に結びつかないことについて考察しました。また、「学校の勉強の理解度」の項目と同様、この項目でも男女で違いが表れていることについて、講師の山﨑先生から専門的なお話を伺いました。この項目の再考察を通して、一つひとつの項目について細かく読み取ると同時に、他の項目との関連を一緒に考える必要性があることを、皆で共有しました。
第8回部会
日時:2018年12月17日(月)午後3時30分から
場所:教育文化センター 研究室B
内容:学習意識調査報告書の読み取り③
○「5.勉強への集中度」について
第11回(2015年)の結果では、前回の調査と比較して「いつも集中できる」が微増しましたが、「どちらかというと集中できない」「集中できない」も微増しました。これらについて考察をすると、次のような読み取りの難しさが浮かび上がってきました。
・生徒にとって「勉強する場所」が学校だけでなく、自宅、塾など様々あり、それぞれ環境も異なる
・生徒が「集中した」と感じる時間の長さは、人によって異なる
・生徒が考える「勉強」のとらえが多様化してきている
また、スマートフォンやタブレットについて、小学生、中学生共に所持率が上がっている傾向があることから、報告書の考察でも指摘されているSNSやインターネットなどの関連も注視する必要があることも確認しました。
第7回部会
日時:2018年11月12日(月)午後3時30分から
場所:教育文化センター 研究室B
内容:学習意識調査報告書の読み取り②
○「9.学校の中で一番大切に思うもの」について
第11回(2015年)の結果では、1995年の調査からずっと1位で大きく全体の割合を占めていた「友達づきあい」が減少し、「勉強」が増加しました。その原因について、報告書の考察にとどまらず、今受け持っている生徒の思いや取り巻く環境にも思いを馳せながら考えました。「生徒たちは、勉強も友達づきあいもどちらも大切と考えている」「どちらがより大切かは、調査時期によっても変わるだろう」など議論が高まりました。
学校は集団活動を通して望ましい人間関係を形成する場、という思いがほとんどの生徒の根底にあり、その上で、勉強もまた大切なものとして感じている生徒が今回は増えたのだろう、と分析しました。
第6回部会
日時:2018年10月29日(月)午後3時30分から
場所:教育文化センター 教育メディア資料室
内容:学習意識調査報告書の読み取り①
第12回「学習意識調査」報告書を見据え、今回から、第11回の各項目について、順番に読み取りを行っていくことになりました。項目の報告内容について、事前に「自らの授業(子育て・幼稚園運営)とのかかわり」や「調査データからは分からないこと」などの視点で読んでおき、それを元に議論するという方法を毎回行っていきます。
○「13.勉強という言葉から思い浮かべるイメージ」について
「勉強」=「受験のため」という認識を持つ生徒の割合が高かった結果を受け、「勉強」と「学習」という言葉の使い分けや使われてきた歴史、学校と家庭における「勉強」に対する考えの違いなど、今の生徒の思いだけでなく、彼らを取り巻く環境についてまで思いを巡らせました。また、幼稚園段階での「勉強」の認識や、義務教育段階における学びの有用性など、調査結果を様々な視点で考えることで、より深く読み取ることができました。
第5回部会
日時:2018年9月18日(火)午後3時30分から
場所:教育文化センター 研究室B内容:研究員各自の取り組みの報告
第11回「学習意識調査」結果を活用した研究員の取り組みを報告し合いました。 ・子どもが興味・関心のあることを自分でテーマを選んで調べ、新聞形式にまとめる活動を継続していること ・「学習意識調査」にある“勉強の意欲”アンケート調査を小学校1年生に行った結果 ・クリエイティブな活動を通して表現力や発想力が高まり、意欲へと繋がっていく幼稚園の活動 講師の山﨑先生からは、その都度、調査の取り方や分析の仕方など、丁寧な解説やアドバイスをいただきました。 次回は、「勉強という言葉から思い浮かべるイメージ」などの調査結果についても、理解を深めていきたいと考えています。
第4回部会
日時:2018年7月9日(月)午後3時30分から場所:教育文化センター 研究室B内容:研究員各自の取り組みの報告 第11回「学習意識調査」結果を活用する研究員の取り組みを報告し合いました。 ・子どもたちに漢字の自主学習を取り組ませた結果から「学習方略」について更に見解を深めたこと ・社会科の授業で子どもたちが新聞形式に学習のまとめをし、自分たちで課題を見つけ、考えたり調べたりする授業を行ったこと ・「勉強以外の悩み事の相談相手」に“親”が増えてきているが、スマートフォンの所持率との関係を調べてみたこと 各報告をきっかけに該当項目について話が深まり、講師の山﨑先生からアドバイスをいただきながら、教育課題についての見方を更に広げていくことができました。今後も、学習意識調査の結果を今の学校現場と照らし合わせながら、これからの教育課題について検証を深めていきます。
第3回部会
日時:2018年6月1日(金)午後3時30分から場所:教育文化センター 研究室B内容:研究員各自の取り組みの報告 中学校の研究員から、担当学年の子どもたちの「自分の学習方略」についての報告がありました。また、もう一人の中学校の研究員から、「学習意欲」や「勉強の悩み事の相談相手」についてアンケート調査結果の報告がありました。そこから「もっと勉強したいという気持ちと学習意欲は同じ?」「勉強の悩み事は誰に相談する?」など話題が広がり、学校・クラスで、家庭での状況と照らし合わせながら、教育課題についての見方を更に広げることができました。
第2回部会
日時:2018年5月9日(水)午後3時30分から場所:教育文化センター 研究室B内容:研究員各自の取り組みの報告 今年度の研究の取り組みについて まず、保護者の研究員から取り組みの報告がありました。内容は「学校の先生に中学生の頃の“得意教科の勉強法と苦手教科の克服法”の調査を行い、結果をその学校の生徒たちに知らせた」というものでした。また幼稚園の研究員からは、「“遊びの大切さ”を幼稚園便りを通して、継続的に情報発信している」という取り組みの報告がありました。 今年度も、講師の山﨑先生にアドバイスをいただきながら、『学習意識調査』の結果を教育活動に活用する方法についての研究を深め、次回の『学習意識調査』へとつなげていきます。
第1回部会
日時:2018年4月19日(木)午後3時30分から場所:教育文化センター 中会議室内容:辞令交付 部会の日程について 小中学校の研究員5名のうち4名が新研究員となりました。今年度も講師の山﨑先生を交えてメンバー全員で力を合わせ、子どもを取り巻く今日的教育課題についての研究を進めていきます。昨年度行った学校での活用の研究に加え、第12回「学習意識調査」に向けて質問事項等の検討にも取り組んでいきたいと考えています。