平成30年度 国語科研究部会 活動報告
第11回部会
日時:2019年2月28日(木)午後1時40分から
場所:藤沢市立湘南台小学校
内容:第5回部内研究授業(川添研究員)及び研究協議
研究報告会に向けて
次年度の研究計画
研究員による第5回研究授業(部内授業)が実施されました。研究協議を通し、それぞれに研究テーマが見えてきた研究会になりました。
○第5回研究授業(部内授業)川添研究員
題材名 物語文『スーホの白い馬』(光村図書 国語 小2)
授業は、「スーホの気持ちを想像しながら読むことができる」「友だちと考えを交流させながら、自分の考えを深めることができる」という目標のもと、小学校2年生なりの”深い話し合い”をめざして行われました。
音読のしかた、発表のしかた、聞き方、話し合い方など、子どもたちの学習ルールがしっかりと定着している様子がうかがわれ、本時目標に迫る授業となりました。
発問の意図が明確で分かりやすく、子どもたちが何を考え、何を話し合えばよいかを見通すことができる言葉になっていたことから、発問の言葉を吟味することの大切さを再確認することができました。
研究協議では、掲示物の効果的な生かし方などを含め、これまでの研究授業の成果が生かされた授業となっていたことが各研究員から挙げられ、今年度を締め括るに相応しい授業であったことが確認されました。
講師の青山先生からは、細やかな取り組みに配慮がなされた授業であったことや、子どもたちの学ぶ姿勢が素晴らしかったことなどに加え、子どもたちの話し合いをさらに充実させるためには、”つなぐ言葉”を磨いていくことが大切であるといったご助言をいただきました。
○その他
研究報告会に向けての確認と来年度の研究計画についての話し合いを行いました。
第10回部会
日時:2019年1月23日(水)午後3時30分から
場所:教育文化センター 教育メディア資料室
内容:川添研究員の研究授業の指導案検討②
難波研究員の研究授業について
研究報告会に向けて 他
最初に、今年度最後の研究授業(川添研究員)に向けて、指導案検討が行われました。
○川添研究員:題材名 物語文『スーホの白い馬』(光村図書 国語 小2)
単元目標の達成に向けて、子どもたちが「想像を広げながら、場面の様子や主人公の気持ちを読み取る」ための主発問を検討し合ったり、馬頭琴の音色をどこで聞かせたら良いかを話し合ったりしました。
「なぜ、白馬はスーホの夢に出てきたのか」、「なぜスーホは、白馬が楽器になろうとする夢を見たのか」、「白馬で作った馬頭琴は、どんな音色だろうか」など、子どもたちがより想像を広げ、葛藤できるようにするための主発問を巡り、話し合いが深まりました。
講師の青山先生からは「授業をどうするのか」を話し合う前に、「この単元を通し、子どもたちにどのような力をつけたいのか」を明確にすることが重要ではないか、というご示唆をいただきました。
次に、難波研究員の研究授業について、今後の見通しを確認し合いました。
第9回部会
日時:2018年12月13日(木)午後1時40分から
場所:藤沢市立六会小学校
内容:第3回部内研究授業(瀧澤研究員)及び研究協議
難波研究員の研究授業の指導案検討②
研究員による第3回研究授業(部内授業)が実施されました。今回は小学校1年生の授業でしたので、研究協議では、小1から中3までを貫く研究テーマを念頭に話し合いがなされました。
○第3回研究授業(部内授業)瀧澤研究員
題材名 物語文『ずうっと、ずっと、だいすきだよ』(光村図書 国語 小1)
授業は、第5場面を読み、主人公の心情について、想像を広げながら考え、隣同士で話し合ったり全体で考え合ったりしながら進んでいきました。
子どもたちは、相手の発言をよく聞いて自分の考えを発表するといった姿勢が身についていて、とても温かい雰囲気の授業となりました。子どもたちの様々な視点からの発言があり、教師の予想を超えるものでした。
研究協議では、主人公の心情を考えるための根拠が本文中にはあまりないため、各自の想像による発言が必然的に多くなったが、僅かに根拠となる文などを取り上げて考えさせる必要があったのではないか、もう少し絞り込みながら授業をまとめた方が良かったのではないか、などの意見が出されました。講師の青山先生からは「指導者が強引に授業を引っ張ることもなく、子どもから出された様々な発言を丁寧に価値づけていた。」といったプラス評価が挙げられました。
キーワードとして”読みと交流”が挙がり、話し合いのさせ方や話し合いのための「問い」の焦点化、話し合いのための「しかけ」など、これまでの授業とも深くかかわる視点として、研究テーマに結びついていきそうです。
○難波研究員の研究授業の指導案検討②
題材名 古文『蓬莱の玉の枝 ー「竹取物語」から』(光村図書 国語 中1)
難波研究員からは、古文『竹取物語』の世界観を味わい、シナリオを考えて音読劇を行うという授業提案がありました。これに対し、各研究員からは、古典のシナリオ作りは難解であるし、指導計画の時間内にも収まらないのではないか。古語辞典などを活用し、短い文や中抜きの言葉を考えさせるような学習にした方が良いのではないか、などの意見が出され、青山先生からも、古典文学に慣れ親しむことが大きな目標であることを念頭において指導計画を作成することが大切だというお話がありました。再度考えて次回の研究授業に臨みたいという難波研究員の言葉で締め括られました。
第8回部会
日時:2018年11月15日(木)午後2時30分から
場所:藤沢市立片瀬小学校
内容:第2回部内研究授業(臼澤研究員)及び研究協議
瀧澤研究員の研究授業の指導案検討②
研究員による第2回研究授業(部内授業)が実施されました。今回も、研究協議を通し、研究テーマにつながるキーワードが挙げられました。
○第2回研究授業(部内授業)臼澤研究員
題材名 物語文『大造じいさんとガン』(光村図書 国語 小5)
授業は、物語文『大造じいさんとガン』の山場の読み取りを通し、主人公の心情について、根拠をもとに自分自分の考えを表明し、話し合いを通して深め合う学習活動が展開されました。
教師が(一晩)(夏中)(二年)などのカードを並べ始めると、子どもたちは瞬時に授業に引き込まれ、物語の世界に入り始めました。狩人としての成功とは何かを再確認した上で、大造じいさんの”おとり作戦”は成功か失敗か、満足か悔しいか、それぞれが思うところに名札を貼り、根拠をもとにした活発な意見交流の幕が切って落とされました。
研究協議では、まず初めに、各研究員から「たくさんの刺激を受け、大変勉強になった。子どもたちの集中力や教師の工夫に驚いた」などの感想が次々に述べられました。講師の青山先生からも、「計算された板書計画やパワーポイントを用いた課題の説明など学習の視覚化」「主発問の焦点化」「子どもが自らの立場を決めた上で次々に話し出し、少しずつ深めていく共有化の方法」など、具体的なプラス評価が数多く挙げられました。
ただ、子どもたちの意見が広がり過ぎてしまい、着地点が見えなくなってしまったという自評の通り、収束の方法に今後の工夫が必要となりそうです。
そういった中からも、根拠をもった話し合いの活性化を図るための”しかけ”がテーマにつながるキーワードとして挙げられました。
○瀧澤研究員の研究授業の指導案検討②
題材名 物語文『ずうっと、ずっと、大すきだよ』(光村図書 国語 小1)
瀧澤研究員からは、物語文の最後の「なにをかっても、まいばん、きっといってやるんだ。『ずうっと、ずっと、大すきだよ。』って。」という主人公の言葉の理由を考えさせたい、という提案がありました。これに対し、各研究員からは、小学校1年生の段階でそれは難しいのではないか、という意見などが出され、青山先生からも、この文章が読書紹介として掲載されていることから、学習指導要領による確認の必要性などが説かれました。結論は出ず、次回の瀧澤研究員の研究授業への課題となりました。
第6回部会
日時:2018年9月10日(月)午後3時30分から
場所:教育文化センター 研究室D
内容:各研究授業の開始時刻等の確認
渡辺研究員の研究授業の指導案検討②
難波研究員の研究授業の指導案検討① ほか
今回は、いよいよ次回に迫った研究授業(提案授業)を含め、中学校2校の指導案検討を行いました。研究員が追求したい課題やこだわりなどを巡り、熱い話し合いとなりました。
○渡辺研究員:題材名『作られた「物語」を超えて』(光村図書 国語 中3)
いよいよ次回研究部会で行われる論説文の研究授業の最終指導案を検討しました。前回同様に筆者の主張を具体的に説明するための本論(ゴリラの事例)なのか、本論(ゴリラのこと)について主張したいために練り上げられた結論なのか、筆者の意図をどこまでつかませることができるかが話題に上りました。また、講師の青山先生からは、授業者のねらいや、話し合い活動の目的を明確にすることの大切さについてお話がありました。
○難波研究員:題材名『少年の日の思い出』(光村図書 国語 中1)
教材文の解釈を巡り、各研究員から様々な意見が出されました。主人公の心情の読み取りをねらいとする授業では、教師の解釈とは異なる様々な解釈が生徒から出てくることが予想されます。根拠となる文が本文中にあまりない場合、読み手自身の生活体験や読書経験が意味づけの根拠となるからです。そのような授業の着地点をどこに置けばよいか。青山先生からは、今研究員同士が行っているように、物語文の解釈を巡って話し合うことの楽しさを、生徒たちにも味わえるようにすることが、意欲や活用力につながるのではないかというご示唆をいただき、授業を展開するときの大きなヒントになりました。
第5回部会
日時:2018年8月27日(月)午前10時から
場所:教育文化センター 研究室D
内容:渡辺研究員の研究授業の指導案検討①
川添研究員の研究授業の指導案検討① ほか
今回も、テーマ設定に向けて、研究授業(提案授業)の指導案検討を行いました。研究員が追求したい課題やこだわりをもった授業展開の工夫などに視点をしぼり、話し合いました。
○渡辺研究員:題材名『作られた「物語」を超えて』(光村図書 国語 中3)
筆者の主張(結論)を具体的に説明するための本論なのか、筆者の主張の中心は本論にあり、そこに序論と結論を加えてまとめ上げた文章なのか、話し合いのポイントが絞られたことで、中学校3年生に適した課題が見え隠れしてきました。
○川添研究員:題材名『スーホの白い馬』(光村図書 国語 小2)
主人公スーホの心情を読み取る課題が多くなることや、音読でまとめる指導計画について、日頃の疑問点をぶつけ合いながら、熱い話し合いとなりました。講師の青山先生からは、馬頭琴の音色(映像にとったもの)を子どもたちに聴かせて授業に臨むことの大切さや、小学校から中学校へと学習が連続していることを捉えながら授業計画を立てることの重要性についてご助言をいただき、研究員を経験することの意味深さについて学ぶことができました。
第4回部会
日時:2018年7月26日(木)9:00から
場所:教育文化センター 研究室D
内容:臼澤研究員の研究授業の指導案検討①
瀧澤研究員の研究授業の指導案検討① ほか
研究1年目。まずは研究員同士、互いに授業を見合うことで共通の課題を見出し、目指すテーマを決めるため、片瀬小学校教諭の臼澤研究員と六会小学校教諭の瀧澤研究員が行う研究授業の指導案検討に取り組みました。
○臼澤研究員:題材名『大造じいさんとガン』(光村図書 国語5)
クライマックスとなる場面での主発問について、研究員それぞれから意見が出され、話し合いが深まりました。
○瀧澤研究員:題材名『ずうっと、ずっと、大すきだよ』(光村図書 国語1)
やはり、最後の場面での主発問について話し合いました。「人との関わりの中で伝え合う力を育む」ことを目指したい瀧澤研究員の思いをくみながら、議論が深まりました。
第3回部会
日時:2018年6月18日(月)15:30から
場所:教育文化センター 研究室D
内容:研究(参観)授業実施に向けての話し合い
研究員5名全員が研究授業を実施し、互いに参観し合うことにより、研究員各々の課題や願いを明らかにしたい。そして、その共通項は、藤沢市内小・中学校の先生方にとっても共通するものであると捉え、そこから今期の研究テーマを導き出したいという方針が次第に明確になってきました。講師の青山先生からも、成長段階による子どもたちの差異や様子も、実際に観て理解し合うことが大切であるとの助言をいただき、それぞれがいつ、何の単元で研究(参観)授業を行いたいかを話し合いました。皆、教科書を片手に、活発な意見交換の場になりました。次回の研究部会からは指導案検討に入っていきます。
第2回部会
日時:2018年5月17日(木)
場所:教育文化センター 研究室D
内容:これからの研究について
第2回部会は、講師である横浜国立大学教授 青山 浩之 先生と、新研究員との初顔合わせからスタートしました。国語の授業のなかでそれぞれが感じている課題や悩み、子どもたちの様子などを話し合いました。「国語の授業ってなんだろう?」「物語文の読解と道徳の授業とのちがいはどんなところだと思う?」と青山先生の問いかけや研究員から出された素朴な疑問に対して、互いに思いを語り合い、『子どもにとって、将来社会につながる国語の学び』とは何かを考える時間となりました。
「日本語の美しさ・豊かさ」「言葉へのこだわり」「子どもの発言の質」「わかりやすい授業」「語彙」など、多くのキーワードが列挙され、研究テーマにつながる第一歩が踏み出されました。
第1回部会
日時:2018年4月19日(木)
場所:教育文化センター 教育専門図書室
内容:辞令交付
部会の日程について
国語科研究部会は、今年度新たに研究をスタートさせます。
研究員個々の国語の授業における課題を持ち寄り、共通項を探りながら、子どもたちの深い学びに結びつく研究テーマを模索していきます。
今年度も、横浜国立大学教育学部教授 青山 浩之 先生を講師としてお招きし、ご指導を仰ぎながら、今年度唯一2年目の六会小学校 瀧澤 暢章 研究員をリーダーに、これからの研究部会を充実させていきます!研究授業にも取り組みます。
どうぞよろしくお願いします!