第8回

日 時:11月14日(木)15:30

場 所:教育文化センター D研究室

内 容:・湖本研究員 授業研究セミナー事後研究

    ・下山研究員 部内研究授業指導案検討

    ・研究報告書について

 今回の研究部会は、①湖本研究員の授業研究セミナー事後研究と②下山研究員の部内研究授業指導案検討を行いました。

     

 まず①について、議論の対象になったのは評価規準と具体的評価との整合性についてでした。

 児童生徒の作文を通して「知識・技能」「思考力・判断力・表現力等」等を評価する際、評価規準は設定されていますが、完成された作品を見ただけでは判断の難しい場合があります。単元を通した評価計画を、具体的かつ客観的な評価項目を周到に準備しておかなくてはいけません。また、その項目についても十分な検討が必要です。またひとつ重要な課題が生まれた研究部会になりました。

     

 次に、②の部内授業「卒業文集の作成」について議論しました。授業者のアンケートによると、「書きたいことが思いつかない」を選択した児童がクラスの半数近くいるので、丁寧かつ慎重な進め方が求められます。

 テーマについて、”書きやすいもの”ではなく、”書きたいもの”を選択するにはどうすればよいのか。グループにおける推敲について、ICTの活用と従来の紙ベースではどちらの方が有効なのか。そもそも良い卒業文集とは何かー。尽きない課題について、研究員の侃々諤々が続きました。

 

第7回

日 時:10月15日(火)13:30

場 所:鵠沼小学校 6年3組教室及び図書室

内 容:・湖本研究員 授業研究セミナー及び研究協議

 今回は、鵠沼小学校において湖本研究員の授業研究セミナーが行われました。

       

 授業内容は、「『鳥獣戯画』を読む」の筆者・高畑勲氏の工夫を生かして、修学旅行で観た題材を魅力的に解説する試みでした。テーマは「筆者の工夫をとらえて読み、それをいかして書こう」です。まずグループでの話し合いから始まり、解説文の下書き、ロイロノートでの共有・推敲、そして「書くことスタンダード」を活用した文章チェックへと進んでいきました。児童たちは、普段から自主学習ノートで文章を書くことに慣れていることもあり、積極的に解説文を書こうとする姿勢が見られ、特にテーマの書き始めについては様々な工夫を凝らしていました。

       

 事後研究では、セミナー参加者の方々を含めて熱心な研究が行われました。議論は、「書くこと」を始めるまでの意識づけ、題材の選定、読み手の設定、設定字数、参考文章を提示することの是非、教科関連の掲示物、「書きたい」と「書きやすい」の差異等、多岐にわたりました。参加者から質問が出る度に、湖本研究員の取組や意図が分かり、これまでの準備に対して参加者の共感を得ました。「書くこと」を追求してきた研究部会にとって、「読むこと」「書くこと」の複合単元を新たに扱った意義を感じられるセミナーとなりました。

                        

 講師の青山先生からは「今回のポイントは、『読むこと』を『書くこと』に置き換えられるかどうか。思考力・判断力・表現力をつけるためには、どの言語活動も有益に機能していく。分けた方が良いと言われてきた『読むこと』『書くこと』を合わせることで、『読むこと』を『書くこと』にしっかり機能させている新しいチャレンジだった。」と講評をいただきました。

 

第6回

日 時:9月18日(水)15:30

場 所:教育文化センター D研究室

内 容:・湖本研究員 授業研究セミナー指導案検討

    ・佐藤研究員 授業研究セミナー事後研究

    ・研究報告書について

 今回の研究部会は、主に湖本研究員の授業研究セミナー指導案検討および佐藤研究員のセミナー事後研究を行いました。

       

 湖本研究員の授業研究セミナーでは、教材として「『鳥獣戯画』を読む、日本文化のみりょく」を選定し、「読むこと」・「書くこと」の複合単元を扱うことになりました。2つの単元を通して、「筆者の工夫をとらえて読み、それをいかして書く」ことをねらいとしています。本時では、読み手の心をつかむ書き始めを考え、表現の工夫を活かしたストーリーを書くことになります。今回は、「豊かに書く」ことに重点を置き、「書くことスタンダード」の活かし方について議論しました。

       

 また、前回に続いて佐藤研究員の授業研究セミナー事後研究が行われ、新たな評価視点が提案されました。「学習したことをもとに、仲間と協力しながら自分の書いた文章がより良くなるよう粘り強く工夫している」の視点で評価する際、改善する必要のない文章の評価についてはどうするのか。講師の青山先生からは、「本人が『仲間の活動を見て学ぶ点があった』と振り返っているのであれば、そこを評価する。仲間との協力は自分の文章を改善するだけに留まらない」とのご助言がありました。

 

第5回

日 時:8月5日(月)9:00

場 所:教育文化センター D研究室

内 容:・安研究員部内研究授業 事後研究

    ・佐藤研究員授業研究セミナー 事後研究

    ・研究報告書について

 今回の研究部会は、主に安研究員の部内研究授業および佐藤研究員の授業研究セミナーの事後研究を行いました。

         

 まず安研究員の部内研究授業の事後研究では、古典の新しいアプローチ方法、そしてその方法に対しての生徒の反応を知ることができました。古典の現代語訳を自分たちの日常語に訳す活動は、豊かな発想を生み出し、伝えたい気持ちを言葉に乗せて、模倣ではないオリジナル令和語訳(授業者による造語)の作成につなげることができたようです。単元のまとめにおいても、いままでより古典を身近に感じられるようになったとの感想が多くみられました。

 

       

 次に、佐藤研究員の授業研究セミナーの事後研究では、「読む単元」を「書く単元」につなげて、はたして十分な学習成果を得ることが出来るのかどうかに関心が集まりました。佐藤研究員からは「生徒たちの作成した文章は、見本として提示した『盆土産』での学習を活かし、オノマトペを活用する生徒が多かった」と報告がありました。また、推敲・共有活動を経て自分の文章の広がりを実感している生徒が多かったとのこと。新しい提案である「書くことスタンダード」と「新しいロイロノートの活用法」の効果については、今後も引き続き調査を進めていくことになりました。

 

第4回

日 時:7月5日(金)13:35

場 所:藤ヶ岡中学校2年1組および3階会議室

内 容:佐藤研究員 授業研究セミナー及び研究協議会

 今回は、藤ヶ岡中学校において佐藤研究員の授業研究セミナーが行われました。

       

 授業内容は、『盆土産』のえびフライを食するときの描写を参考にして、自分の好きな食べ物についてリポートを書いた後、それをオンラインのグループワークで推敲・共有するものでした。その際、生徒たちは、授業者提案の「書くことスタンダード」(確かに書くため・豊かに書くための項目別確認表)を活用して、文章を改善する学習を進めました。また、推敲の過程もロイロノートの新たな活用法により可視化されました。

        

 「書くことスタンダード」にまだまだ改善の余地はありますが、生徒たちにとっては文章作成の一つの指標になっていました。改善を重ねて生徒たちの自信に繋げることができれば、研究の大きな成果になることでしょう。こういった研究員の熱意が研究部会の推進力になっています。

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 講師の青山先生から「文章は確かに伝わらなければいけない。また、豊かに伝わった方が良い。それでは両者の境界線はどこなのか。そこにスキル指導の必要性がある。」「生徒たちは、今回使用した『書くことスタンダード』を一生ポケットに持っていても良いと思う。佐藤研究員は、これからも継続して『書くことスタンダード』の開発を進めてほしい。」と講評をいただきました。

 

第3回

日 時:6月20日(木)13:15

場 所:湘南台中学校2年1組および第一会議室

内 容:1.安研究員 部内研究授業および振り返り

            2.佐藤研究員 授業研究セミナー指導案検討

 今回は、湘南台中学校において安研究員の部内研究授業が行われました。 

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 授業内容は古典『枕草子』を中学生の目線で現代語訳するものでした。4人1組の班になり、対象を班別に外国人や小学校1・2年生など設定したうえで、相手意識をもちながら訳しました。対象相手の違いによって難易度も違い、特に外国人相手の班は、現代語訳に英訳の要素も工夫して取り入れていました。

 振り返りでは、班で1つの現代語訳を作成する作業だったので、個人として評価するのは難しい点とロイロノートを通さずに直接話し合いすることの大切さを講師の青山先生から指摘されました。

     

 次に、佐藤研究員の授業研究セミナー指導案検討を行いました。国語科研究部会のテーマに迫るために、「確かに書くために」「豊かに書くために」の指針を生徒に示すべきなのか、もし示すならばその内容や基準はどうあるべきかを議論しました。佐藤研究員は、研究の一環として今回のセミナーで示す方針ですが、研究部会としては、今後も継続して検討していく課題であることを確認しました。

 

 

日 時:5月23日(木)15:30

場 所:教育文化センター D研究室

内 容:1.安研究員 部内研究授業指導案検討

            2.佐藤研究員 授業研究セミナー指導案検討

            3.その他(年間計画等)

 今回の研究部会は、主に安研究員と佐藤研究員の学習指導案を検討しました。

        

 はじめに安研究員の学習指導案を検討しました。授業の対象は中学2年生で、古典『枕草子』の良さをより引き出すために、生徒独自の現代語訳を作成する学習です。古典を身近に感じることで、古典の世界への興味・関心を高めていきます。

        

 次に、佐藤研究員の学習指導案を検討しました。授業の対象は同じく中学2年生で、三浦哲郎作『盆土産』における登場人物の人柄や心情を「えびフライ」をキーワードに読み深め、理解を進めた後で、本文における「えびフライ」のような効果的描写の作成にチャレンジします。

           

 研究部会では、「豊かに書く」の指導に重点を置いて話し合いを進めました。

 

第1回

日 時:4月19日(金)15:00

場 所:教育文化センター 中会議室

内 容:1.自己紹介

    2.研究の進め方(確認)

    3.第1回部内研究授業指導案検討

    4.その他 開催日時、会場、予定確認

 令和6(2024)年度国語科研究部会が発足し、第1回研究部会が行われました。部会は和やかに自己紹介が行われたあと、さっそく研究の進め方等について真剣な話し合いが行われました。

           

 まず、研究部会の年間計画を設定し、その計画をもとに第1回部内研究授業の指導案検討を行いました。今年度は研究3年目になるので、研究テーマ「確かで豊かな書く力を育む国語の授業」に迫る実践展開について議論を重ねました。

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 議題・テーマに迫ろうとする研究員の真摯な姿勢は、今年度の研究部会にも引き継がれています。