第7回 部会

日 時:2023年10月25日(水)午後1時35分から

場 所:藤沢市立辻堂小学校

内 容:蓮見研究員部内授業

   

単元:比例と反比例(小学校6年)「比例の関係をくわしく調べよう」

 既に学習した比例の知識・考えをもとに、比例の関係でない関係があることに気づく授業を行いました。面積が24㎠の長方形の縦(X㎝)、横(y㎝)の長さの組を表に整理し、関係を調べました。「これは比例だ!」「比例じゃないんじゃない!」「でも比例っぽいよ!」「xが2倍になるとyも2倍になれば比例だけど、1/2倍になっているよ」「逆比例だよ!」子どもたちから気づきが次々と発表されました。この表を “たたき台” として、皆で既に学習した比例の知識を根拠に議論し、「比例の関係に似ているようで比例でない。比例っぽい関係がある。」ことに気づきました。

 算数・数学科研究部会では、子どもから「間違い」や「分からない」が出てきたとき、教師が説明するのではなく、その中で子どもたちに考えさせる良い題材だと思えるものをたたき台とし、たたき台をきっかけに一歩思考を進めたり、類推し思考を深めていけるような授業をしたいということから、「たたき台から みんなで 考えを深める 授業づくり」を研究テーマに授業研究を進めています。研究授業後行われた研究協議会では、「たたき台がめあてを明確にすることが分かった。」「たたき台があると皆で同じ方向に向かって追求していける。」等、感想や意見が出ました。講師の池田先生からは、「○○さんの一言で今日の授業が深まったねと振り返りの中で価値づけることも大切。」「次の時間は今回取り上げられなかったたたき台からスタートの授業で反比例について深めて行くもいいのではないか。」等、アドバイスをいただきました。

 

第6回 部会

日 時:2023年10月2日(月)午後3時30分から

場 所:教育文化センター 小会議室

内 容:蓮見研究員部内授業指導案検討

 

単元:比例と反比例  比例の関係をくわしく調べよう (小学校 6年)

 算数・数学科研究部会では、分からなかったことから生まれたつぶやき・考えが価値づけられていくという積み重ねが子どもの意欲を育て、思考力を高めるのではないかと考え、「たたき台から みんなで考えを深める 授業づくり」をめざしています。間違いや分からないことが出てきたとき教師が説明するのではなく、子どもたちに考えさせるよい題材だと思えるものを “たたき台” とし、たたき台を試行錯誤しながら直していく中でよいものができていくという授業を意図的につくろうと思っています。

 蓮見研究員は、「長方形の面積を変えずに長方形の縦、横の辺の長さを変えると形の違う長方形ができる。このとき縦、横の長さの関係は比例の関係なのか?」を “たたき台” として、比例の関係にはなっていないと子どもが判断し、そこから反比例の関係を見つけていく授業を考えました。比例の関係かどうかを調べる場合、縦と横の長さの関係を表に整理して判断することが多いのですが、蓮見研究員は数値を並べた表を使わず、図形だけで比例の関係でないことを判断する授業の流れを検討中です。

 

第5回 部会

日 時:2023年8月24日(木)午後3時30分から

場 所:教育文化センター 小会議室

内 容:授業案の検討

 

 『たたき台からみんなで考えを深める授業づくり(仮題)』をテーマとして研究を進めるため、たたき台を授業の中心に据えた授業案を持ちより、たたき台というものに対する自分たちの見方や考え方を探っていきました。講師の池田先生から、「たたき台は何のためにつくるのかを考える必要がある。ひとつは、これまでに学んできた見方や考え方を生かしたたき台から類推していくため。もうひとつは、全く手が出ない場合 “あえてここからなら考えることができる” とたたき台をきっかけに一歩思考を進めるため。」とアドバイスをいただきました。たたき台についてのイメージを共有することができました。

 

第4回 部会

日 時:2023年7月28日(金)午後3時30分から

場 所:教育文化センター 小会議室

内 容:研究の方向性を探る

 

 子どもたちの実態と自分たちの指導を振り返ることから話し合いが進められました。その中で、小学校、中学校にかかわらず、「はじめから答えを待っている」「諦めている」といった実態が報告されました。「分かった子の考えで進めていくのではなく、分からなかったり行き詰まったりした考えを取り上げ、正解にたどり着いていく」「分からなかったことが恥ずかしいのではなく、分からなかったことから生まれたつぶやき・考えが価値づけられていく」ということの積み重ねが意欲を育てるのではないかと考えました。そこで、失敗を試行錯誤しながら修正し活用していくことを意図した授業を重ね、意欲をもち、多様な個性を認める子どもの姿へつなげたいと願い、『たたき台から みんなで考えを深める授業づくり』を研究テーマ(課題)として研究を進めていくことになりました。

 

第3回 部会 

日 時:2023年7月7日(金)午後3時30分から

場 所:教育文化センター 小会議室

内 容:研究の方向性をさぐる

  

 普段の授業での課題や取り組みについての経験から目指す方向性を話し合いました。

 講師の池田先生から「同じ誤答でも、試行錯誤から出てきた誤答と何をしたらいいか分からない状態で出てきた誤答とでは、同じ誤答でも性格が違う。」と話がありました。そして、研究員の経験からも子どもたちが試行錯誤し、考えを深めるためには、抽象と具体の双方向からのアプローチが有効であるという意見がありました。これは、昨年度までの研究テーマでも掲げており、今後の研究の土台になることを確認しました。

 更に池田先生から「子どもの出した誤答をクラス全体の問題として取り上げているか。」と質問がありました。そして、「正しいか間違いか、チェック・検討する活動に次のヒントが隠されている。正解を出した子どもの中には、この過程を繰り返していることが多い。この過程の見える化が大切である。」というアドバイスをいただきました。研究員からもこのような過程を見取り、評価していきたい、自分で確かめる力を育てていきたいという意見があがりました。

 

第2回 部会

日 時:2023年5月25日(木)午後3時30分から

場 所:教育文化センター 小会議室

内 容:・年間計画

    ・研究の方向性を探る

  

 横浜国大教授、池田敏和氏に講師を引き続きお願いし、研究部会をスタートしました。研究の方向性を探るため、普段の授業での課題や取り組みについて意見交換を行いました。算数や数学が自分事として捉えられない子どもや、算数・数学ができないと決めつけている子どもの実態が挙げられました。「課題に対して一歩を踏み出し、自分の考えを生かすことができる子どもを目指したい。」「チャットGPTやAI等が導入されていく中において、子どもと子どもの関わりを大切にして、仲間と一緒に考え問題に取り組み、学びを高める授業のあり方を模索したい。」という意見が出ました。

 

第1回 部会

日 時:2023年4月20日(木)午後3時40分から

場 所:教育文化センター 小会議室

内 容:自己紹介

    3年間の研究の進め方と今後の取り組み

    情報交換、課題の把握

   

 今年3月に2020年から2022年まで3年間の研究のまとめ報告書(『具体⇌数学』思考が深まる授業 ~モヤモヤをきっかけとして~)を発刊しました。今年度3人の新研究部員を迎え、新たに研究をスタートさせます。自己紹介の後、今年度研究員3年目の丸山研究員から前回の研究についての説明がありました。今年度は前回の研究テーマ「『具体⇌数学』思考が深まる授業 ~モヤモヤをきっかけとして~」を研究の土台に、学習指導要領のねらい等を踏まえて、新たに研究の方向性を探っていきます。