夏の研修講座【講座番号26】算数のよさや美しさ、考える楽しさを味わう授業づくり
日 時:2022年7月27日(水)
場 所:教育文化センター 大会議室
講 師:明星大学客員教授兼明星小学校校長 細水 保宏 氏
研修内容:1 算数のよさや美しさ、考える楽しさを味わう授業づくり
2 「はてな?」、「なるほど!」、「だったら、~」で、はらはら、わくわく、どきどきする展開を創る
3 授業力を鍛える
4 授業作りのポイント
これからの時代を生きる子供達につけたい力は、これまでのように問題を解く力を中心とするものではない。問題を解決するにはこの先AIが担っていくと予想されるが、問題を発見する力や問題を追究する力は人が担うしかない。知識を駆使して活用する力や自分の考えを他者に伝える力、思いやる気持ちなどの人間性も含めて身につけていきたい力である。算数・数学科の授業において、そのような力を育成するためにはどうしたらよいか、というテーマの中、お話を伺った。
まず、深い学びにつなげるための「はてな?」「なるほど!」「だったら、~」の3つのキーワードが示された。以前は、「教師が問題を出し子供が解く」という流れで、「やり方を教える」ことが多かった。しかし、思考を伸ばすためには「どうやったらできるかな」という子どもたちの問いから自力解決や共同思考を通して「なるほど」につなげる。そして、更にまとめの中で「だったら、~」という数学の事象や日常生活・社会事象への気づきや更なる問いにつなげていく。このようにエンドレスの思考サイクルを生み出す「連続ドラマ型の授業づくり」が大事であることを教えていただいた。また、子どもへの授業中の具体的な声かけや手立てをたくさん示していただいた。どうしてそうするとよいのかという、その裏にあるねらいについても教えていただき、「楽しい授業とは」ということを体感しながら学ぶことができた。
〈受講者の感想から〉
- 細水先生の講話は毎年楽しみにしています。子供にかける一言一言に“子供たちをこのように育てたい”という思いと熱い愛情を感じます。でも、瞬間的には出てこないので、トレーニングを積みたいと思います。
- 「分からない、難しい」という子供の気持ちを体験できました。そして、「できた!おもしろい、楽しい」という気持ちも味わえました。「教師→子供」ではなく、「子供→子供」の教え合いや「子供↔子供」の相互理解も体験できて楽しかったです。
- 教師の発言には様々な効果があり、“暗示”することがより効果的であることがより効果的であることを本講座より学びました。できている子を褒める、できてほしいことを価値付けしていくことで、授業も学級も生徒の反応や成長が異なると感じました。みんなで創り上げる雰囲気づくり、発問の仕方や発言に対しての仕方など、授業に生かせる部分を多く学ばせていただきました。