平成30年度 理科研究部会 活動報告
第10回部会
日 時:2019年2月20日(水)
場 所:教育文化センター 理科研修室
内 容:授業研究セミナー後の経過報告
研究報告会について
研究のテーマの具体について
今年度の授業研究セミナーは、林下研究員、荒木研究員、口地研究員の授業を公開しました。今日はその3人の研究員のその後の授業について、経過報告をしました。「電磁誘導の理解はどうだったのか」「実験能力はついたのか」「防災意識は高まったのか」等々、授業を思い出しながら課題や改善点などを確かめました。
講師の先生からは次のようなお話をいただきました。
・「試行」と「思考」によって実験能力や知識がよりよく身についたなら研究テーマが適切ということ。
・知識を得たことが大事なのではなく、どうしてそうなったのかというプロセスを経た経験が大切
・水の流れに関わる学習は、総合で防災につなげて扱うことも考えられる など
次に、「理科を学ぶ意味」について話し合い、研究員からは次のようなことが出ました。
・生活とのつながりがわかる
・もの・器具・実物を通して課題解決、論理的思考がつく
・科学的な情報を得る
・科学の発展や歴史に触れる 等々
講師の先生からは次のようなお話をいただきました。
・「科学」の条件は、実証性、再現性、客観性
・研究テーマは「科学的に追究する子どもの育成」サブテーマの「試行」と「思考」に目がいきがちだが、「科学的思考」「科学的な問題解決」など「科学」を意識して授業を行うことが大切である。
第10回部会
日 時:2019年1月25日(金)
場 所:藤沢市立藤ケ岡中学校 21組教室及び第2理科室
内 容:口地研究員授業研究セミナー
「電気が使えるのは電磁誘導のおかげ!
~新学習指導要領「主体的、対話的で深い学び」を意識した電磁誘導の授業~」
【単元名:中学校2年生 電流とその利用】
生徒は、まず始めにモーターの仕組みと発電機の映像を視聴し、普段の生活で使っている電気も電磁誘導で発電していることをつかみました。次に、4人グループに分かれ、コイル、磁石、検流計をグループごとに配り、電磁誘導の現象を直接感じながら、その性質を見つけていきました。最後に結果や考察をグループごとにホワイトボードにまとめ、黒板に掲示し、3グループが全体に向けて発表しました。
研究協議での主な話題
・(授業者)新学習指導要領を受けて、「主体的」については思考活動→試行活動を意識して取り入れました。またグループ活動を取り入れ「対話的」を意識しました。
・(参観者)対話の中には他者だけでなく個人内の対話もあるのでは。
・(参観者)生徒が興味を持って実験に取り組んでいたのが印象的だった。
講師からは次のようなお話をいただきました。
・「対話」について、理科では「自己との対話」「他者との対話」「自然との対話」があると言われている。いずれにしても対話は一人ひとりの意見があってはじめて生まれるもの。自分の意見が持てる活動が授業に組み込まれていることがことが重要。
その後、理科研究部会を行いました。
第9回部会
日 時:2018年12月4日(火)
場 所:教育文化センター 理科研修室
内 容:藤ケ岡中学校 口地研究員の指導案検討
中学校2年生「電流とその利用」の授業について3回目の指導案検討を行いました。今回の授業は電磁誘導についてコイルと磁石を使って電流が発生することやその向きの規則性について、生徒の学びの視点を意識し、効果的に「思考と試行」の学習活動を取り入れることで、テーマに迫りたいと考えています。
矢野先生からは「発電所の仕組み」「手回し発電機」「コイルと磁界」という一連の関係を考えて、授業を組み立てることが重要であるとご指導いただきました。
第8回部会
日 時:2018年11月22日(木)
場 所:秋葉台小学校 2年4組教室
内 容:荒木研究員授業研究セミナー
「わたしのおもちゃをパワーアップ!工夫するって楽しいな♪
~理科の学びにつながる生活科のおもちゃ作り~」
【単元名:生活科2年生『うごく うごく わたしの おもちゃ』】
はじめに「どうなったらパワーアップ成功といえるか」と発問し、おもちゃそれぞれのパワーアップの姿を確認しました。子どもは、「輪ゴムを二重にして高くとばす」など具体的に目標を定め、それぞれ自分のおもちゃをパワーアップさせるため、教室中央に置かれた道具(教師が用意)を使いチャレンジしました。始めは個人で取り組んでいましたが、パワーアップが達成できた子どもは周りの子どもに話しかけたり、一緒に取り組んだりして自然な関わりが生まれていました。
研究協議では、次のような話題で協議を行いました。
・始めからパワーアップの手だてが出ていたように感じた。子どもにとっては「思考」というには簡単だったのかもしれない。例えば転がるおもちゃのパワーアップとして「坂道の角度を変える」のは簡単すぎた。おもちゃ自体の改良を考えられればよかった。
・パワーアップの方法をはじめに子どもが答えていたが、方法はひとつではないのに、その意見に引っ張られてしまっていたように感じた。
矢野先生からは「子どもにとって『パワーアップさせる』という目的が明確に示されたことは良かった。ただし方法がいくつかあるという指摘はその通り。授業の中で触れられたらよかった。」「学校行事との関連が図られていた。これこそ『カリキュラムマネジメント』といえる。もっとアピールしても良いのでは」等々のご指導をいただきました。
引き続き研究部会を行い、2019年1月25日(金)に授業研究セミナーを実施する口地研究員の指導案検討を行いました。
また、9月20日(木)に授業研究セミナーを行った林下研究員から、その後の授業経過報告がありました。
第7回部会
日 時:2018年10月1日(月)
場 所:教育文化センター理科研修室
内 容:秋葉台小学校 荒木研究員の指導案検討
藤ケ岡中学校 口地研究員の指導案検討
最初に11月22日に実施する荒木研究員の生活科指導案【単元名:うごく うごく わたしの おもちゃ(生活科2年)】を検討しました。児童が身近にあるものを使って遊びや遊びに使うものをパワーアップさせる活動を行い、児童が遊びを通して考え、楽しみながら工夫するような授業を目指します。
矢野先生からは、「具体的な活動や体験」を通して「気づく」プロセスが、理科研究部会のテーマにあるキーワード「試行」と「思考」に関連している。そのような意識を教師が持ちながら授業を行うことが必要とのご指導をいただきました。
次に口地研究員の中学校2年の単元「電流とその利用」の指導案を検討しました。口地研究員からは導入で使う自作教材の提示がありました。
矢野先生からは、児童の実態をさらに詳しく調べるようにとご指導をいただきました。
第6回部会
日 時:2018年9月20日(木)
場 所:御所見小学校 理科室
内 容:林下研究員授業研究セミナー
はじめに今年の夏に発生した水害のニュース(西日本大雨、台風、東北の大雨等)画像を用意し、子どもたちの興味を惹き付けました。
次に、身近にある目久尻川の写真とニュースの画像を比較し、御所見近辺で大雨や台風などの災害が起こったら目久尻川の流れはどうなるのかについて、予想を立てました。
子どもたちが出したたくさんの考えは、みんなで仲間分けすることでいくつかの課題に整理しました。流れる水のはたらきについて、課題解決に向けた第一歩を踏み出す授業でした。
研究協議会では、「映像・画像や短冊カードなどを使ったことで思考活動を促した」「目久尻川という身近な素材を活用したことで子どもの意欲が高まった」など、テーマに関わる議論で盛り上がりました。
矢野先生からは、今日の授業の改善点、研究概要の再確認と共に、全国学力学習状況調査の理科の結果を踏まえ、研究を深めていくことが大切であるとご指導いただきました。
第5回部会
日 時:2018年8月28日(火)
場 所:教育文化センター理科研修室
内 容:御所見小学校 林下研究員の指導案検討
荒木研究員の指導案検討
5年生の単元「流れる水のはたらき」について、身近な目久尻川という地域教材を学習に取り入れることで、理科の学習と日常生活のつながりを感じやすくしました。また、荒木研究員は生活科「うごく うごく わたしの おもちゃ」での取り組みで、理科とのつながりを考えて授業に取り組む予定です。
矢野先生からは指導案についてのご指導と、研究テーマについてさらに深くご指導をいただきました。
第4回部会
日 時:2018年8月1日(水)
場 所:教育文化センター理科研修室
内 容:御所見小学校 林下研究員の指導案検討
研究概要について
9月20日の授業研究セミナーに向けて、指導案の検討を行いました。身近な教材(目久尻川やハザードマップ)と指導内容(侵食・運搬・堆積)をどのように結びつければよいのか、子どもが主体的に追究する授業を目指し、授業者の林下研究員が収集した写真やデータの活用方法を中心に検討しました。
また、これまでの研究のあらまし(研究概要)についても、授業セミナーの開催を機に作成することとしました。矢野先生のご指導の下、授業に関することや研究テーマに迫る手だて等あらためて目指したい授業について再確認しました。この他、矢野先生からは、研究テーマと新学習指導要領の関連、近隣地区の動向についてもご指導をいただきました。
第3回部会
日 時:2018年6月5日(火)
場 所:藤ケ岡中学校及び教育文化センター理科研修室
内 容:口地研究員の授業ビデオ視聴及び研究協議(教育文化センター理科研修室)
今回は事前に口地研究員の授業をビデオ撮影し、その後の研究部会で視聴・研究協議を行いました。
前時の授業では、実験結果が教科書どおりとならず、なぜ実験がうまくいかなかったのかを予想(思考)していました。生徒達からは「試験管を間違えた」「両方の試験管に唾液を入れた」「温度が悪かった」等々、9通り出てきました。本時はそれらを確かめるべく対策を考え、確かめたい条件だけを変えて実験が失敗した原因を追究(試行)しました。
矢野先生からは、次のような助言をいただきました。
・実験は必ず成功するものではない。失敗したときにその原因を追究する今回の取り組みは面白い試みといえる。
・今年の全国学力・学習状況調査(理科)では、「正解」を求めるのではなく、友達の考えや実験の理由など、「思考」を問う問題が出題されており、それにあわせた授業内容の転換が小中問わず求められている。
第2回部会
日 時:2018年5月22日(火)
場 所:教育文化センター 理科研修室
内 容:口地研究員の指導案検討について
荒木研究員の生活科授業構想について
6月に口地研究員が行う部会内授業の指導案検討を行いました。今回は単元2「動物の生活と生物の進化」の第2章「生命を維持するはたらき」の中の「消化と吸収」の授業を実践します。唾液の働きの実験結果が教科書通りにならなかった理由を予想させ、試行と思考を繰り返しながら結果をもとに考察するという授業を考えました。矢野先生からは、小学校と中学校の系統性も視野に入れておくことが大切であると助言をいただきました。
次に、荒木研究員が行う“理科の学びにつながる生活科”(授業研究セミナー)の授業構想を検討しました。矢野先生からは教科書にある「うごくうごくわたしのおもちゃ」で、ゴムの力や風の力といったエネルギー分野で、子どもたちが工夫できるように授業を考えていったらどうかという助言をいただきました。これから授業が具体化していくのが楽しみになる検討でした。
第1回部会
日 時:2018年4月19日(木)
場 所:教育文化センター 2階応接室
内 容:辞令交付
部会の年間計画について
今年度は新たに2名のメンバーが加わり、次の5名の部員でスタートしました。
3年目を迎え、研究テーマ「共に学び、科学的に追究する子どもの育成~試行活動と思考活動を大切にした授業~」に迫るために、授業研究セミナーを3回(9月・11月・1月を予定)計画しました。