第11回部会 理科研究部会

日 時:2024年3月8日(金)午後2時5分~

場 所:藤沢市立鵠沼中学校

内容

1 部内授業

 

 中学校2年「単元4 4章:日本の気象 3:自然の恵みと気象災害」の単元では、学習を積み重ねることで、生徒が既習内容を自分事として捉え、日常生活に活かすことを目指した。本時「防災DIGをやってみよう」では、白地図とワークシートを使用しながら、鵠沼地区の防災上の問題点を自分たちで設定し、その解決方法を考え発表した。生徒同士がお互いに良かったことを付箋で共有することで、他者から自らの学習の成果を価値付ける場となった。

2 研究協議

  

 研究協議では、「付箋をもらうことで認められ、自己肯定感が高まるきっかけとなっている」「自分たちの発表に対して共感してもらえる」「コメントが返ってくることで、『自分って意外とすごいじゃん』を見つけるチャンスだった。」等の意見が出され、生徒の学習を積み重ねる中で、自己肯定感を高めるための手立て等を中心に話し合った。

 講師の先生からは、練られた授業でよかった。今日の授業のポイントは、生徒が自分の書いた付箋を貼りにいき、みんなでシェアしたところである。それはまさに生徒達による評価である。いいことが書かれていることで、書いた方もそれを見た方も自自己肯定感が高まり、改善していこうという気持ちが出てくる等、助言をいただいた。

第10回部会 理科研究部会

日 時:2024年2月9日(金)午後3時30分~

場 所:教育文化センター 理科研修室

内容 

1 自己肯定感を高める理科授業の実践

  

 自己肯定感を高める理科授業とOPPシートの活用について、研究員の報告・共有を行った。自己肯定感を高めるには「何度もやり直せる時間の余裕を持つこと」「自分の成長に気づく機会をつくること」「教師や友だち同士で自分たちの発言を価値づけること」「主体的に学習に取り組むことで自己肯定感の向上につながること」等の報告があった。

 また、OPPシートの活用については、「記述から児童生徒の実態把握をする」「記述をもとに授業改善」「記述することで児童生徒が自分の成長を自覚する」「記述を教師が価値づける」等の報告があった。

 今後は、単元全体を通して児童生徒自身の考え等を把握するために、OPPシートのより効果的なアプローチを目指すことではないか。さらには、記述を授業に活かすことで、先生だけでなく他の児童生徒からも肯定される機会をつくることで児童生徒の自己肯定感獲得につなげていくことを部会でアプローチしていく。

 講師の辻本先生からは、OPPは「プロセスを褒める」「共感する」「傾聴する」の3つの視点を可視化することが可能である。また指導する教師が児童生徒の自己肯定感の高まり等をどう捉えるかが大事であると助言をいただいた。

 

第9回部会 理科研究部会

日 時:2024年1月16日(火)午後3時30分~

場 所:教育文化センター 理科研修室

内容 

1 OPPシートを活用した授業実践の成果と課題

  

 小学校籍の研究員が勤務校で取り組んでいるOPPAの実践について報告・共有を行った。運動会実施に向けた教育活動の中でOPPシートを活用し、「児童の自己肯定感の高まり」にフォーカスを当て取り組んだ。毎回児童が記したOPPシートの内容を受け授業改善を試みた。「列が斜めになっているので、きれいに並べるようみんなで声を掛け合った」「円が小さくて大きく踊れなかった」等の児童の記述が授業改善につながり、子どもたちが主体的に運動会に取り組める場面を把握することができた。

 子どもたち自身が自分たちの力で学年全体を動かすことができたという達成感等の獲得により、そこから「さらにこうしたい」「こうなるとさらに完成度が上がる」と積極的に児童が考え、行動に移すことができるようになった。

2 テーマ設定に向けて

 講師の辻本先生からは、体育は児童等の達成感がOPPシートの記載から教師が捉えやすい教科である。その記述を教師が取りあげ、児童とキャッチボールをする。そのことが他の児童にも影響を与え、「私ももしかしたら書けば褒めてもらえるかも」と、周りの児童たちの自己肯定感もアップする。そこから主体性が生まれてくるのではないかと、助言を頂きました。

第8回部会 理科研究部会

日 時:2023年12月20日(水)午後3時30分~

場 所:教育文化センター 理科研修室

    今回は名古屋市立味鋺小学校の先生方が参加されました。

内容 

1 OPPAの見取り方とコメントの書き方

 研究員が、勤務校で取り組んでいるOPPAの見取り方やコメントの書き方について共有した。実践を通して、「学習の苦手な児童の記述内容に変化が見えてきた」「コメント欄に図で説明する児童も出てきてシート活用にも工夫が見られた」「教師のコメントを工夫することで、のびのび書けるようになってきた」等の報告があった。また、OPPAを見ることで、自分の授業が俯瞰して見えることも報告された。

  

2 OPPAを活用した授業実践の成果と課題 

 OPPAを活用した授業実践の成果と課題について共有した。成果として「OPPシートの記述内容をくみ取り発展的な実験を取り入れた」「実験の考察を実験ワークシートに記入するよりOPPシートに書く方が自由度があり書きやすい」「本時の授業内容を児童の発言を共有することで書きやすくなった」等報告があった。課題としては「OPPシートを見る時間の確保に苦労することもある」「教師も児童もOPPシートを書くことが目的の授業展開にならないようにする必要がある」等報告があった。

  

4 質疑応答

 講師の辻本先生からは、書くことが苦手な児童生徒が経験を重ねることで書けるようになってきたのは、教師のコメントが励みとなっている。さらに、他の児童生徒の言ったことをOPPシートに書くということは他者からの学びである。また、コメント欄の事例(図の使用等)を紹介することで、他の児童生徒にも新しい価値付けが生まれるきっかけとなる等、助言を頂いた。

 

第7回部会 理科研究部会 

日 時:2023年11月2日(木)午後3時30分~

場 所:教育文化センター 理科研修室

内容 

1 OPPAの見取り方とコメントの書き方

 二人の研究員が、勤務校で取り組んでいるOPPAの見取り方やコメントの書き方について共有した。実践したOPPAの中には「興味を持ったことには教師の想像を超えていたこと」、「授業中あまり発言しない児童等が自分の考えをたくさん書いていたこと」、「いい視点でとらえた児童を発見することができたこと」、さらに教師として自分のフィードバックができることがよかった等の報告があった。課題として教師の見取り(思考、疑問、メタ認知等)方の視点不在、実施学年や単元等によってはポートフォリオができる時とできない時があること、「本質的な問い」をどうするかといったこと等があがった。

 

2 辻本先生から

 善行中の研究発表の概要について説明をいただいた。研究発表について、ハイブリットの手法を取り入れることで、広く周知する機会となった。また各教科の「本質的な問い」についても、どの教科も吟味され、教師の教育観が随所に表れていてよかった。

 本発表を受け理科研究部会のこれからについても「OPPAの見取りによる授業改善と学習改善」「メタ認知とICTの利活用」「主体的に学習に取り組む態度の評価方法」等のご示唆をいただき、今後のテーマ設定に向けたよい機会となった。

  

第6回部会 理科研究部会

日 時:2023年9月25日(月)午後3時30分~

場 所:教育文化センター 理科研修室

内容 

1 前回の振り返り

 前回の研究部会で話題になった「大事にしたい授業の構」や「OPPシートを使ってこんなことをしてみたい」等の中で、キーワード「見方、考え方をはたらかせて」「ひっかかり」「ウェビング」「1時間ずつ切り取ってみる」「ポストイット形式で作成」「子どもの自己肯定感を培う」「OPPAのいいところは簡単であること」「素直な反応を見たい」「子どもの変容を見ていきたい」等、子どもが主語としての方向性が見られた。半年が経過し、研究の方向性を決めていく。

2 辻本先生ワークショップ(児童・生徒の自己肯定感を高める手立てについて)

  

 

 

第5回部会 理科研究部会

日 時:2023年8月29日(火)午後2時~

場 所:教育文化センター 理科研修室

内容 

1 OPPシートを活用した授業構想について

  

 各研究員からOPPAを活用した授業構想について、互いに情報共有を行った。研究員からは、「最終的には子どもがより学びを身につけられるようにしたい」「子どもの自己肯定感を培うためにOPPシートを活用したい」、「研究を通して子どもが主体となる授業を意識したい」、「子どもの実態に合わせた授業作りに役立てたい」、「子ども目線、子どもが学びたいことをアシストしたい」等 研究テーマ設定に向けて各自の考えを交換した。

 辻本先生からは「OPPシートもデジタル化してくるだろう」「本質的な問いとは何か、教師の教育観と関わる」「授業をどう構築するか。教師はマネジメントの力が必要になってくる」「OPPAを実践してみて一番有効なのは、自己肯定感だと思う」等のアドバイスをいただき、研究を深める機会となった。

第4回部会 理科研究部会

日 時:2023年7月18日(火)午後3時30分~

場 所:教育文化センター 理科研修室

内容

1 OPPAの実践

  

 研究員が現場で実践したOPPシートを部会で共有した。「回数を重ねることで自分の気持ちが出てくるようになった」「OPPAをやってみて、子どもの心情の変化をつかむのに良かった」「自分が学んだこと、考えたこと、やってみたこと等書けるようになっていった」「子ども記述を授業で取りあげることで共有し、子どもたちが自ら考えられるようになった」等、授業改善に生かすことができたという報告があった。

2 辻本先生ワークショップ

  

 次にワークショップ「評価ダイヤモンドランキング」を行った。この活動は「評価」の活動で大切・重要と考えるものを順序立てて考えるものである。研究員はAグループ(小学校)、Bグループ(中学校)に分かれ、それぞれ各自の評価についての意見を交わした。辻本先生からは「みんなで合意形成することが重要」「自分以外の考えを聞くことで、新しい価値観が生まれる」等お話をいただき、研究を深めるきっかけとなる時間となった。

第3回部会 理科研究部会

日 時:2023年6月23日(金) 午後3時30分~

場 所:教育文化センター 理科研修室

内容 1.研究部員の5分間プレゼンテーション(自分の考えるよい授業とは)

      

研究員5人による「自分の考えるよい授業」について、各研究員がプレゼンテーションを行いました。「10年目を迎えた頃にOPPAとの出会いがあった。」「一方通行の授業ではなく、子ども主体を大切にする授業へと変化していった。」「私の考えるいい授業とは、子どもが主体性を発揮できること。」「子どものもっとやりたいを引き出す授業だと思う。」「自分が実際に見たものや実験結果に向き合い、自分なりに考えを深めることができること」「考えたくなるとっかかりのある授業」等、一人一人が熱く、自分の思いを語りました。

辻本先生からは、「OPPAを活用することで、教師自身も変わってくる。」「教育とは何か、学びとは何か、常に問い続けていく姿勢が大切である。」「OPPAは多様な考えや思いや疑問が出てくる。それらを見取りファシリテートしていくことが大切である」等お話をされました。

第2回部会 理科研究部会

日 時:2023年5月29日(月)午後3時30分~

場 所:教育文化センター 理科研修室

内容 

令和4年度までの研究の共有

小林研究員、山川研究員から今までの研究の内容について、研究冊子の報告を行いました。小林研究員からは、ポートフォリオを活用することによって児童の学びの見取りから授業改善に取り組むことができたという報告がありました。また、山川研究員からはポートフォリオ活用当初は児童も何を書いていいか分からず困っていたが、回数を重ねるうちに書く内容も深まってきたとのこと。ポートフォリオの紙面上で児童との対話ができ、児童が何を考えているのか把握し、OPPシートを活用して授業改善へと取り組んだという報告がありました。

辻本先生ワークショップ

  「キックオフミーティング ~スタートアップのためのこれまでの研究の考察~」

・OPPAとは1枚ポートフォリオ評価のこと。一人一人の可能性を引き出すこと。

・単元の始めに「本質的な問い」を行い、次に授業ごとに児童生徒がOPPシートに書き、最後にまた「本質的

 な問い」を行い、同じ問いを繰り返すことで、振り返りができる。

・OPPシートは教師の見取りによる授業改善ができ、児童自身も学習改善につながることができる。                          

・教師の教育観の変容が授業改善につながる。

とお話をされました。

 

第1回部会 理科研究部会

日 時:2023年4月20日(木)午後3時50分~

場 所:教育文化センター 理科研修室

内 容:自己紹介

    年間計画

 藤沢市教育文化センターにて、令和5年度教育文化センター研究員全体会があり、その後第1回部会を行いました。理科研究部会は新たな研究員を3名迎え、研究を進めていきます。自己紹介の後、年間計画を確認し、授業研究セミナー及び部内授業については研究を進めていくうえで実施時期を判断していくことを伝えました。