簡単に食べられるのは 温州みかん 

 みかんは、3000年ほど前にインドのアリッサム地方からミャンマー、タイ、中国へと伝わりました。”魏志倭人伝”から日本へは3世紀に伝わったと考えられています。みかんには、カゼの予防に効く ビタミンC、シネフリンほか、クエン酸、ビタミンA、食物繊維をたくさん含みます。また、白い筋にはヘスベリジンを含み、動脈硬化やコレステロール血症に効果があると言われています。漢方では、熟したみかんの皮を乾燥させたものを ”陳皮(ちんぴ)” と言い、体を温める薬として使われます。陳皮が七味唐辛子に入っているのは、あまり知られていないかもしれませんね。

 温州は”うんしゅう”と呼びます。産地と言われる中国浙江省温州からですが、そこには同じ品種はなく、日本の特産と考えられています。ミカン類を柑橘(かんきつ)類と呼び、昔から蜜のように甘いことから漢字では”蜜柑(みつかん)”と書かれ、「みつかん→みっかん→みかん」となりました。みかんというと、冬のこたつの上のイメージがあり、テーブルオレンジとして海外でも注目されています。それは、数ある柑橘(オレンジ)類の中でも、種がなく手を汚さずに簡単に皮をむけるのは温州みかんだけだからです。

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