平成28年度 

  教育実践臨床研究部会スタート

 

 

 

 

 

 

 

 


 

  教育実践臨床研究 新刊!

  「授業の本質を問う」3月発刊

 

  

  授業研究セミナー 

     さあ、みんなで考えよう! みんなが考えよう!

   2016年1月19日(火)5校時  小学校5年算数科:比べ方を考えよう(2)

   授業者 山本泰輔 先生  講師 慶應義塾大学教授 鹿毛雅治 先生

 研究員2年目の山本先生が、「比べ方を考えよう(2)」の第6次「百分率の問題」を公開しました。この1年間「考える」をテーマに算数の授業研究に取り組んできました。本時で出された問題は、1000円で500円の豚肉を買うのと、700円の30%引きの豚肉を買うのとでは、どちらがお釣りが多いかを考えるというものでした。

 「700×0.3=210 700-210=490 1000-490=510」として、30%引きの方がお釣りが多くもらえるという子、「700÷10」で10%分がいくらになるかを出してから考える子、「700÷100」で1%分を出してから考える子、なかには「700×(1-0.3)=490」と一気に30%引き後の値段を出して考える子など、子どもたちはそれぞれのやり方で解き始めました。また、自然と近くの席の子ども同士、積極的に相談して取り組む姿も見られました。

 発表の場では、黒板に式を書いて説明する子、図を使って説明する子など、それそれの考えが出されましたが、30%引きという「割引」の意味をみんなで確認している途中でチャイムが鳴ってしまいました。

     

    

 集団による授業リフレクションの場で語られた、山本先生の授業の印象は「終わりどころを迷ってしまった」というものでした。と言うのも、発表の場面で様々な考えが出てきて、首をかしげている子にはどうしたらいいものかと、頭の中で葛藤していたからだそうです。その後は、参加された先生方から授業の中で起きていた子どもの事実を出してもらったことで、子どもたちの中にきちんと割合の意味をわかっていない子がいることが明らかになりました。また、講師の鹿毛先生からは、「式と答えを書いてもらうだけで、何でその式を考えたのか?という問いが生まれていない」とアドバイスを受けました。そこで次時には、子どもたちの考えをきちんと確かめた上で、もう一度30%とはどういう意味かを確認したいと話していました。

 


  授業研究セミナー 

           目に見えない世界への誘(いざな)

          ~子どものイメージから探求心が深まる授業~  

  12月3日(木)5校時  中学校1年理科:身のまわりの物質

  授業者 小林隆太郎 先生 講師 元藤沢市教育文化センター長 富岡英道 先生

 研究員3年目の小林先生が、「身のまわりの物質」の第3次「物質を分解しよう②」を公開しました。前時に4つの物質(砂糖・食塩・かたくり粉・重曹)を、「燃やす」「集気瓶内の石灰水に入れる」「水に溶かす」「塩酸を加える」「各班、オリジナルの調べ方」の5つの方法を用いて、それぞれの性質を見つけていきました。そして本時では、前時のデータを用いて「謎の物質X(砂糖+重曹)を探る!」活動を行いました。「水では変わらないけど、塩酸を加えたらシュワシュワしてきた」「少し燃えたから砂糖かなあ?」「甘いにおいがした」「1種類だけかなあ?」「顕微鏡で砂糖と重曹を混ぜて見たら、Xと同じだ!」等々、様々な声が飛びかう中で活発に実験が行われていました。最後は、班ごとに予想とそうなった理由を発表(砂糖と重曹が7班、ベーキングパウダーが3班)して、授業が終えました。

     

        

  集団による授業の振り返りでは、「授業の印象は『なぜ?という瞬間がいっぱい見られた』で、子どもが疑問をいっぱいもってくれたので、思わずニヤニヤしていました」と話していました。参加者からは「4つの物質を消去法で消していった班があった」「確かめの実験をしてもいいですか?と先生に聞いていた」「前に先生がベーキングパウダーの話しをしてくれた時と似ている」「子どもたちがいろいろ試行錯誤しているのがよかった」等、授業の中での様子が出てきました。小林先生は、「みなさんの話しから子どもたちが安心感の中でやっていたと言ってもらい、今後はそれを意識してやっていきたいです。次時は、子どもたちの思考の部分を価値づけてやりたい」と締めくくりました。

 


  授業研究セミナー 

    歴史の見方を広げよう ~いつか社会をつくっていくために~  

   11月25日(水)5校時  小学校6年社会科:戦争と人々の暮らし

    授業者 佐藤 遼 先生  講師 慶應義塾大学教授 鹿毛雅治 先生

 研究員3年目の佐藤先生が、「戦争と人々の暮らし」の第5次「空襲の恐怖」を公開しました。この単元では毎時間視点を変えて資料を元に事実と向き合い、「どんなふうに思った?」と問いかけを繰り返していっています。本時は空襲で亡くなった人の数を表した日本地図を見せて、気がついたことや考えたことを書き、その後全体で交流しました。「被害が少ない所は疎開している人が行ってたところ」「日本軍、何しているの。助けに来てよ」「朝鮮には空襲がなかったの?」「防空壕は無事なの?」「アメリカ兵はどんな思いだったのか知りたい」等々。子どもたちはこれまで学習してきたことにもつなげて発言していました。

  

               

 集団による授業リフレクションの場で語られた、佐藤先生の授業の印象は「積み重なってきたな」というものでした。と言うのも、子どもたちが資料から様々なことを読み取れること、また、当時の人々の思いを様々な視点から考えられていることに、これまでの学習の積み重ねを感じたからだそうです。参加者と共に子どもたちの中で起こっていたことを丁寧に確かめることができて、次時へのアプローチも決まったようです。  

 


   2015年10月19日(月)第6回教育実践臨床研究部会

 教育実践臨床研究部会では、1学期に引き続き授業実践研究に取り組んでいる研究員の授業を担当者が参観し、リフレクションをし、次の授業をどうするかと考え続けています。

 運動会も終わって一段落した10月19日、研究部会が開かれました。今年度授業実践研究に取り組んでいる研究員の、佐藤 遼先生、小林隆太郎先生、山本泰輔先生から、授業の進め方やそこでの子どもの様子等が書かれた経過報告が出され、部会の中で質疑が繰り返されました。

 そして、授業実践研究の一端を「授業研究セミナー」として公開する日が近づいている、佐藤先生と小林先生からは単元計画の提案があり、みんなで検討しました。

 『戦争と人々のくらし』の単元を扱う佐藤先生は、当時の人々のことを考えたら悲惨しかない。子どもたちに「歴史の見方を広げよう」とねがいつつも、教材研究をすればするほど、どこに焦点を当てて良いかまだ迷っているようです。研究員OBが過去に行った実践を紹介してもらい、どのように授業を進めたのか話を聞いて、今後のヒントとしていました。

 中学1年の理科で『身のまわりの物質』の単元を扱う小林先生は、これまで生徒が個人で実験を行う授業を重ねてきたことで、班で実験を行ったときとは子どもからの反応がひと味もふた味も違う手応えを得ることができたので、今回はどのようにもっていくか考えどころですと話しています。物質の区別の仕方を学習する授業になりますが、はたして子どもたちからはどんな考えが出てくるのでしょう。

 

11月と12月に行う授業研究セミナーの案内です。先生方が目の前の子どもたちに、こんなねがいをもって授業をしたいと書いてあります。ぜひ、ご参加ください!!

 

 

 

   夏季集中研修講座 

 教育実践臨床研究部会では、日々の授業を見つめ直し、授業者が目の前の子どもと共に創る授業をめざしています。今年度の講座は。学ぶこと・教えることの原点に戻ってみなさんと一緒に授業を考えていく場を企画しました。 

★子どもとかかわるということ ~教育の原点を確かめる~  (7月27日)

     講師:横浜国立大学教授 高橋和子 氏

     

  協力すること、息を合わせて動作する心地よさを感じました。

   

 「卵たて」は、たて!たて!と力むほどうまくいかず、すっと力を抜いた瞬間、卵がす  くっと立った時の気持ちよさ。達成感を味わいました。

 

★子ども理解が授業を変える 

        ~子どもがいない 見えてこない授業を超えるために~ (7月29日)

    講師:藤沢市立石川小学校総括教諭 谷合弘州 氏

   

 目の前の子どもたち一人ひとりと向き合い、寄り添いながら子どもが学ぶ場としての

授業を創り実践していくことの大切さを実感しました。

         

 

★授業づくりの基本となるもの ~授業デザイン入門~  (7月30日)

    講師:元藤沢市立御所見小学校長 田中 朗 氏

   

 「6つの構成要素による授業デザイン」のツールを教わり、夏休み明けに行う単元の

授業を具体的にデザインすることで、単元全体に目がむけられました。

 

★どうする? 教材研究!~子どもたちと共に創り上げる授業をめざして~(7月31日)

    講師:慶應義塾大学教授 鹿毛雅治 氏 

         元藤沢市立羽鳥小学校長 江原 敬 氏

   

 「教材」をどう見つめ、どう教材にしていくのかということ。ただ指導書通りにやる

だけでは、目の前の子どもにあった教材研究になっていないということを知りました。

 

★子どもの学びを支え続けるためにⅠ ~授業リフレクションの実際~ (8月3日)

    講師:元藤沢市立村岡小学校教諭 岩井美香 氏

    

 仲間と簡単に振り返ることのできる「イメージマップを使った授業リフレクション」

を知り、実際に書いてみることで、意識化されていなかった思いや忘れていたことが

はっきりとみえました。

 

★子どもの学びを支え続けるためにⅡ ~正しい授業準備の方法とは~ (8月4日)

    講師:千葉県立保健医療大学教授 井上裕光 氏

    

 授業の中でねらいをもつこと、意図をもつことが大切で、たとえうまくいかなかった

としてもそれは失敗ではなく、ズレただけで、次の授業につなげることができるという

ことを知りました。


    2015年4月23日(木)  第1回 研究部会

 新しい研究員3名が加わり、平成27年度の研究部会がスタートしました。部会の

オリエンテーション、さらに今年度授業実践研究を行う 佐藤遼先生(小6/社会科)

山本泰輔先生(小5/算数科)から、「この1年間、どんなねがいをもって取り組んで

いきたいのか」所信表明がなされました。

 その後、夏休みまでの間に新しい研究員さんには、毎年授業リフレクションの方法の

中からカード構造化法を体験してもらっています。それを3回行うことで、今後自分が

追究していきたいことや授業の課題などがみえてきます。

 今年もすでに1回目のカード構造化法に取り組みました。右側の写真は、カード構造

化法の結果(考察済みのツリー図)です。

   ↓藤本 一郎 先生(小5算数「直方体と立方体の体積を求めよう)

            

         ↓海保 雄 先生(小6社会「平安時代の文化」)

      

    ↓好川 大貴 先生(中3数学「平方根」)

    


教育実践臨床研究部会

<研究のねらい>
授業者の目指す授業に寄り添い、授業の中で起きていることを大切にした臨床的な授業の研究をとおして、
授業とは何か、授業を研究するとはどういうことか、教師であるとはどういうことかを探究し、
授業者の成長のみならず、ひろく教師の成長と日々の授業改善につながる知恵や技(臨床の知)を蓄積・提示する。

<研究内容>
「見えることからの授業の再構築」を研究テーマに授業実践研究を行い、子どもの学びを支える知恵や技の獲得を目指すとともに、
授業研究の手法を記述し、成果を研究紀要にまとめ発刊する。

<講 師> 横浜国立大学教授 高橋 和子 氏、千葉県立保健医療大学教授 井上 裕光 氏

<特別研究員> 慶應義塾大学教授 鹿毛 雅治 氏

<研究員> 海保 雄(鵠沼小)、山本 泰輔(羽鳥小)、佐藤 遼(長後小)、藤本 一郎(俣野小)、好川 大貴(大庭中)、小林 隆太郎(滝の沢中)