講座番号4】新江ノ島水族館20周年と江の島の生きもの

日 時:2024年8月19日(月)午前9時から11時30分

場 所:新江ノ島水族館・なぎさの体験学習館

講 師:新江ノ島水族館館長 崎山 直夫 氏 ・ なぎさの体験学習館 岩崎 猛朗 氏  

研修内容  

 崎山館長による歴史のお話では、今から70年前の1954年に近代的水族館第1号としてオープンした当時の苦労、2004年にリニューアルして新江ノ島水族館を開館することになった経緯、E.S.モース(注1)との関わり(注2)などについて学びました。旧マリンランド建設当時の鯨をトラックで運ぶ貴重な記録動画や、江の島の五頭龍伝説のアニメも見せていただきました。

  *注1:明治初期に来日し、東大で教鞭をとるかたわら、シャミセンガイの研究のため江の島に東洋初の臨界実験所を建てました。
  *注2:江の島水族館初代館長の雨宮育作氏は、東京大学名誉教授で、モースの孫弟子にあたる海洋生物の研究者でした。

 後半は2班に分かれ、2階の「湘南体験ゾーン」で専門職員の方から説明を聞きながら、藤沢メダカ、波の実験装置、ビーチコーミングなどの展示を見学しました。1階にもどり、飼育経験豊富な岩崎さんによる「触って調べる体験学習」を受講しました。イトマキヒトデ、マナマコ、ミズクラゲを実際に触りながら、ゆっくり観察し、生態などについてお話をうかがいました。

 新江ノ島水族館が相模湾に臨む好立地にあり、開設時以来の研究を重視する伝統や、生きた鯨をプールで展示するに至った苦労や、モースとの深い関わりについて知ることができました。「湘南体験ゾーン」は児童・生徒の学びにも役立つ貴重な場であることを体験でき、イトマキヒトデやマナマコを実際に触ってゆっくり観察する体験学習は、参加者がとても楽しそうで、得がたい貴重な経験となりました。

受講者の感想から

・自然と、渚の生き物たちの関係性なども理解できました。また、江の島水族館の歴史も知れて、また子どもたちにも伝えて行きたいと思いました。

・ヒトデやナマコ、クラゲを触ったりじっくり見たりすることもでき、この経験を2学期に子どもたちに伝えていきたいです。

・えのすいがたくさんの人の思いや支えによって成り立っていることを知り感動しました。一人ひとりのあたたかさが今のえのすいを作っていることが伝わりました。

・2階で生物を見ている時に5秒ではなく、30秒ながめていると見えてくることがあるという言葉を聞き、校外学習でもそのような思いを伝えたいと思いました。

・貴重な動画も見せてもらい、江ノ島水族館の歴史や役割がよくわかりました。またモース教授の話や生き物の知識が身につき、とてもためになりました。