日時:2025年7月24日(木)9:30~12:00

場所:教育文化センター理科研修室

講師:高谷小学校教諭 山川 侑実 氏

   法政大学生命科学部教授 辻本 昭彦 氏

研修内容

はじめに、山川先生が5年生理科で取り組んだ「もののとけ方」の実践報告を聞きました。この実践は、OPPA(One Page Portfolio Assesment/1枚ポートフォリオ評価)を取り入れているのが特色です。子どもが授業の終わりに、わかったこと、大事だと思ったことなどを記入する「OPPシート」は、子どものホンネを引き出すツール。子どもの学びを見取ることができ、授業改善への手がかりになります。また、教師のフィードバックにより、子どもの自己肯定感を高めることが期待されます。授業にOPPAを取り入れることの魅力が語られました。

続いてワークショップです。まず「ダイヤモンドランキング」に取り組みました。「なぜ主体的な学習なのか」というテーマのもと、様々な「目的」が書かれた10枚のカードをランク付けしながらグループごとに話し合いを進めます。自分の考えを表明しながら合意形成を図ろうとする中で、互いの価値観が共有されていきます。

ワークショップ・その2では「本質的な問い」を考えるという課題に取り組みました。実際にOPPシートを作るときに大事なのが「本質的な問い」です。その単元を通して解決していきたい、単元を貫く問いのことです。子どもたちは単元のはじめに問いへの自分の考えをOPPシートに書き、単元の学習を重ねた上で,単元の終わりに再び問いへの自分の答えを書きます。学習が進むごとに少しずつ思考が深まっていくような問いにすると良いという講師のアドバイスを受けながら各自でじっくり考えました。

辻本先生からは、山川実践の意義や、ワークショップのねらいなどをひもとくお話しをうかがいました。OPPAは教師が子どもの変容を見取れるだけでなく、子ども自身の気づきをうながし自己肯定感を育むことが期待できるなどのメリットがあること、本質的な問いは、単元を貫き、ある物事の核心や根本に関わる深く考えさせる問いであり、新たな視点や理解を生み出すことができることなど、OPPAを授業に取り入れることが、児童生徒の自己肯定感を育み主体的な学びをうながす有効な手立てであることなどのお話しを聞き、多くを学びました。

受講者の感想より

・OPPシートをぜひ活用したいと思いました。

・ダイヤモンドランキングでは、他の先生方の考えが聞けて有意義な時間になりました。

・子どもたちのリアルな気持ちを見取ることができるOPPAについて勉強になった。

・本質に迫る問いを考えるのは難しく感じたが、2学期に取り入れてみたい。

・OPPを使ったことはあるが上手くいかず断念していました。山川実践を聞いて頑張って続けてみようかなと思いました。続けてみることが大事ですね。

・授業中に発言する子の意見は取り上げやすいが、静かに考えている子にもスポットを当てて授業をしていきたいと考えていました。参考になりました。