【講座番号32】包括的性教育~実際のトラブル事例を参考に~【鎌倉市交流講座】
日時:2025年8月18日(月)14:00~16:30
場所:教育文化センター 大会議室
講師:日本産婦人科学会専門医 門間 美佳 氏(藤沢女性のクリニックもんま・院長)
研修内容
医学生時代にマザーテレサに会った経験から社会のシステムに疑問を持つようになった門間先生は、「権利」「人権」について鈍感になることに警鐘を鳴らします。SRHR(性と生殖の健康と権利)は、自分の性と生殖に関することについて自分の意思が尊重され自分自身で決められる権利のことで、基本的人権の一つです。このSRHRを大事な視点としながら「包括的性教育」を中心に多岐にわたる話を聞きました。
「包括的性教育」では、性教育の3原則(性を肯定的にとらえる・性を科学的に伝える・性の多様性を尊重する)のもと、年齢・発達段階に応じてらせん階段を上るように内容を構成します。子どもの権利条約も、大事な内容の一つです。門間先生は、「ユースクリニック」を開設し、若い人の身体と心のケアを行っています。自分の身体や性についての正確な情報を知ることができ、「恋バナ」などを安心して相談できる場所をめざしています。
講演を通じて、人権、ジェンダーへの理解、暴力と安全確保、健康とウェルビーイング、性的行動や生殖に関する健康、教育や医療・行政の課題など、多様な側面について学ぶことができました。門間先生はたくさんの書籍やパンフレット類をお持ちくださり、紹介してくれました。職員室に置いておくだけで、話題にできたり啓発になったり、様々な効果があるというお話も印象的でした。さらに専門的に学べる性教育の講座など、たくさんの情報をいただき、広く深く学ぶことができました。
受講者の感想より
・性教育は幸せに生きるためのライフスキルを身につけること、という話がとても心に残りました。
・情報量がとても多く、書籍も多数紹介していただけて良かったです。日本や世界の状況がわかり、自分自身の性教育についてのアップデートが必要だと痛感しました。
・教員は、様々な方面に気を使ったり忖度しながら対応することが多いので、講師の医師としての明確なポリシーのもとズバッと話す姿に圧倒され、何だか気持ちがスッキリし、9月からの元気をいただけました。
・起きている問題は個人の責任・個人の問題ではなく、社会全体が受け止めて改善するべきもの、という考えがとても響きました。